シリア情勢が緊迫しているが、ネタニヤフ首相は、予定通り5日夜、中国への公式訪問に出発すると発表した。帰国は11日金曜日になる予定。
今回、訪中を延期しないことで、「イスラエルがシリアとの戦争に備えているわけではない」とのサインを送ることが目的とみられる。またネタニヤフ首相は2010年の中国訪問をドタキャンした経過があるため、再びキャンセルを繰り返すわけにはいかない。
中国はロシアとともに、これまでイラン問題、シリア問題ともにアメリカの提案に反対し、国連が何もできない状況を作り上げてきた。ネタニヤフ首相は中国で、こうした中東問題について話し合いをすることになっている。
なおこの間、パレスチナ自治政府のアッバス議長も訪中する。しかし、ちょうど入れ違いになり、両首脳が顔を合わせることはない。
<首相不在中の対処>
ネタニヤフ首相不在中は、連絡を密にとりながら、ヤアロン国防相が首相代理を務める。
しかし、イスラエル政府は、2010年5月、ネタニヤフ首相がカナダを訪問中に、トルコのマビ・マルマラ号の事件が発生。効果的に指示を出すことができなかったという経過がある。
当時の首相代理は、今回と同じヤアロン氏だった。当時、ヤアロン首相代理が緊急防衛閣議を開こうとしたが許可がおりず、さらには当時のバラク国防相とも連絡できず、効果的に対処できなかったのである。