ネタニヤフ首相、中国へ 2013.5.5

シリア情勢が緊迫しているが、ネタニヤフ首相は、予定通り5日夜、中国への公式訪問に出発すると発表した。帰国は11日金曜日になる予定。

今回、訪中を延期しないことで、「イスラエルがシリアとの戦争に備えているわけではない」とのサインを送ることが目的とみられる。またネタニヤフ首相は2010年の中国訪問をドタキャンした経過があるため、再びキャンセルを繰り返すわけにはいかない。

中国はロシアとともに、これまでイラン問題、シリア問題ともにアメリカの提案に反対し、国連が何もできない状況を作り上げてきた。ネタニヤフ首相は中国で、こうした中東問題について話し合いをすることになっている。

なおこの間、パレスチナ自治政府のアッバス議長も訪中する。しかし、ちょうど入れ違いになり、両首脳が顔を合わせることはない。

<首相不在中の対処>

ネタニヤフ首相不在中は、連絡を密にとりながら、ヤアロン国防相が首相代理を務める。

しかし、イスラエル政府は、2010年5月、ネタニヤフ首相がカナダを訪問中に、トルコのマビ・マルマラ号の事件が発生。効果的に指示を出すことができなかったという経過がある。

当時の首相代理は、今回と同じヤアロン氏だった。当時、ヤアロン首相代理が緊急防衛閣議を開こうとしたが許可がおりず、さらには当時のバラク国防相とも連絡できず、効果的に対処できなかったのである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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