トルコ情勢その後 2013.6.18

トルコのイスタンブールで始まった反政府デモは、首都アンカラや地方都市にも広がって、まだ継続されている。エルドアン首相は、強気姿勢を崩さず、催涙弾や、水砲でデモ隊をけちらし続けている。

<なぜデモが起こるのか>

エルドアン首相は、2003年に就任以来、経済の改善など、多くの好実績を上げている。ではなぜ、激しいデモが起こっているのか。

エルドアン首相は、高い支持率を背景に、だんだん権力を集中し始めており、大統領の権限を拡大する憲法改正をめざしている。もし大統領制が改正され、エルドアン首相が大統領になれば、さらなる権力を得ることになる。

エルドアン首相は近年、イスラムに傾きがちであるため、権力集中を懸念する市民たちが、そろそろブレーキをかけなければと感じているということである。(これまでトルコは政教分離の原則を維持してきている。)

しかし、エルドアン首相の人気はまだ高いため、デモ隊に対抗して行われたエルドアン首相支持集会は大群衆の様相。今、仮に信任投票が行われたとしても、エルドアン首相が勝ち残ることになるとエキスパートは言う。難しい問題である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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