ガザとイスラエルの紛争がターニングポイントを迎えている。地上戦に突入してから停戦するのか、地上戦をせずに今停戦に入るのか。ネタニヤフ首相の責任は非情に重くなってきている。
エジプトのカイロでは、停戦に向けた動きがあるが、ネタニヤフ首相は、交渉を”始める”条件として、「まずはハマスがロケット攻撃をやめること」というスタンスを譲っていない。ハマスは、「イスラエルが攻撃をやめること」が条件と言っている。双方に接点はない。
<イスラエルから停戦の条件>
カイロからの報告によると、イスラエルが具体的に出した停戦の条件は以下の通り。(Yネット)
注)これは、カイロからの報告でイスラエルからの報告ではない。
1.15年以上、イスラエルに戦いをしかけない
2.ただちに武器をガザへ密輸することをやめる
3.ガザにいるすべての組織がイスラエル領内、ならびに国境にいる兵士への攻撃をやめる
4.もしテロリストがイスラエルを攻撃した場合、またそうした情報が入った場合、イスラエルが、追跡逮捕する権利を維持する。
5.ガザとエジプトの国境は開放を維持するが、ガザとイスラエルの国境は閉鎖を続行する。
6.ガザのムルシ大統領が停戦の保証人となる。これは政治的な保証ということで、武力による保証ではない。
イスラエルはこれに対する返答を48-72時間以内(期限11月21日)に出すようにと要求し、もし応じない場合は地上戦を開始すると言っているという。
<地上戦になった場合はどうなるか?>
今後、もし地上戦に突入した場合、ハマスは、イスラエル国内で自爆テロをはじめると言っている。イスラムに聖戦へのよびかけがなされ、北からはヒズボラが攻めてくる可能性が高い。ヒズボラの背後にはシリア、イランがいる。
シリアが国境から化学兵器を使われるかもしれない。イランが参入してきて中東全体にまで戦闘が拡大するというのが最悪のシナリオ。できれば地上戦は回避したいところだが、いったん始めた戦闘を中途半端に終わることもできない。
今、ネタニヤフ首相が直面している決断は、地球規模の問題である。