シリア情勢とイスラエルは当然、無関係ではない。以下に、シリア情勢で注目点と思われる点をあげてみた。
1)サウジアラビアがイスラム諸国34カ国連合結成
シリア情勢をめぐっては様々な”連合”、つまりは対立構造が生まれつつある。12月15日、サウジアラビアは、対テロ連合だとして、アラブ諸国34カ国からなる連合を立ち上げた。
参加国は、エジプト、カタール、アラブ首長国連邦などアラブ諸国の他に、非アラブイスラム諸国のトルコやマレーシアも加わっている。この中に、サウジのライバルであり宿敵でもあるシーア派のイランは当然含まれていない。
サウジの皇子で防衛相のモハンマド・サルマン氏(30)によると、イラク、シリア、リビア、エジプト、アフガニスタンにおけるテロ組織と戦う事が目的だと語っているが、具体的な軍事活動等についての発表はない。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4739687,00.html
この直後にイスラム国が、サウジアラビアを攻撃すると言ったビデオをネットにアップした。
2)ISISの偽パスポート
アルーツ7が、ドイツの新聞記事として伝えたところによると、ISISが、書き込み前の”正式”なシリアのパスポートを、相当数、入手していたもようである。
この情報がもし本当であれば、すでにかなりのISIS関係者が、シリア難民になりすまして、ヨーロッパに入った可能性がある。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/205196#.VnkpjaUWnA8
3)ヨーロッパへの難民100万人突破
IOM(国際難民機関)によると、22日、シリアなど中東からヨーロッパへ入った難民の数が100万人を突破した。
www.bbc.com/news/world-europe-35158769
以下の記事は家族をつれて決死の思いでイラクを脱出したリース・マジッドさん一家の記事。その表情から世界的に有名になった写真で、その後インタビューにも答えている。普通の人がある日、難民になる、その現実が切実に伝わって来る。
www.bbc.com/news/magazine-35111568
しかし、難民については、確かに悲惨なシリア難民家族もいるのだが、難民の70%近くは一人で出て来る男性であることも忘れてはならない。女性はわずか13%、子供は18%となっている。(ニューヨークタイムス)
2016年、ヨーロッパで何が起こるのか、おおいに懸念されるところである。