3日、イスラエル北部、ゴラン高原とシリアの間の非武装地帯にシリア政府軍の戦車3台が侵入しているのが発見された。同時に付近の山で小さな山火事があったことから、関連性も指摘されている。
5日、シリアとの国境をパトロールしていたイスラエル軍のジープに流れ弾が当たったが、負傷者はなし。この時、イスラエルとの国境から1キロのシリアの村で政府軍と反政府軍の衝突があり、シリア人2人が死亡していた。
シリアの内戦がじわじわとイスラエル国境に近づいているため、ガンツ参謀総長が現場を視察。警戒を強めている。
*シリア情勢アップデート
<自爆テロで50人以上死亡>
シリアでは5日、ハマで自爆テロが発生、シリア政府軍兵士が少なくとも50人死亡した。ダマスカスでも市民を含む11人が死亡。シリア政府軍の空爆で、反政府勢力も20人死亡した。この日のシリア全国の死者は計130人にのぼっている。
先週、反政府勢力に捕まった政府軍兵士7-8名が縛られた状態で集められ、銃殺される映像がインターネットに流され、問題となった。
<カタールで反政府勢力が会合>
3日から4日間の予定で、シリア国民議会(SNC)が、カタールにおいて会合を行っている。シリア国民議会(SNC)は、欧米が、アサド政権崩壊後に新政府を形成する勢力として期待している組織である。
しかし、この組織、代表リアド・セイーフ氏をはじめ、アサド政権によってシリア国外に追放されて数十年になる人々ばかりで構成されている。
最近になってアメリカのクリントン国務長官は、「これではシリア内部で実際に血みどろの内戦を戦っている反政府勢力を統治できるとは思えない。」とコメント。このままでは欧米の継続した支援が期待できない状況となってきている。
これに対処する形で、カタールの会合では、シリア国民議会にシリア現地の自由シリア軍のメンバーを加えることが議題となっている。