イスラエルの会社ナノセント(Nanocent)は、臭いを判別するシステムを使って、早期に新型コロナを判別する検査キットを開発した。かなり早期に感染をキャッチできるだけでなく、成功率は90%だという。
検査の方法は、鼻にパイプを差し込んで息を袋に入れる。部品は、イスラエルの会社ネタフィムと、電子関連は韓国のドリームテックの技術が使われている。
このキットは、ウイルスが鼻や咽頭を通過したことを察知するので、感染してからまだ4日目で、無症状の人の感染を確認することも可能だという。人体によるテストは、コロナ対策の拠点シェバ医療センターと、MDA(救急対)、ドライブスルー検査上、テルアビブや、ティベリア郊外の病院でも行われた。
この手法は、PCRに変わるものではないが、簡易に行えるので、その時点で隔離し、陽性者のみPCRで確定診断を行うことも可能になる。また、簡易なので大勢が集まる空港や職場、イベント会場などへの入り口で実施することもできる。ナノセントは、すでに世界各国から購入のオファーを受けているという。
www.ynetnews.com/article/rk90JWFAI
<日本の住友科学も関与>
ナノセントは、この技術を、イスラエルのイノベーション庁と保健省の投資で開発したが、日本の住友科学も200万ドル(約2億2000万円)を投資している。日本でこれが導入されるかどうかは不明。
住友科学は、この他にも、ナノセントとともに、「体調可視化」と呼ばれる技術の開発を進めているという。排泄物の臭気データから、体調や病状を読み取り、食事療法始め治療に役立てるという技術である。
www.sumitomo-chem.co.jp/news/detail/20191203.html
このほかにも、ベングリオン大学が開発した、呼吸を調べて、結果を数分で出し、データを政府や研究機関がアクセスできる形で保存するというシステムも開発されている。120人でテストした結果、こちらも成功率は90%であった。
また、イスラエルの会社ネクストゲンとスキャンテックは、呼気からコロナ感染を1分で検査するキットを開発している。
検査キットについては、実に様々な研究が進んでいるが、日本の場合、日本政府が、認可しないと使えないので、今のところ、新たな検査キットが使われるというようなニュースはない。今も、検査技師による手動のPCR検査が主流で、1日にわずか2000件にとどまっている。