昨夜、過ぎ越し(種なしパン)の例祭が終わった。昨夜は日没と同時に、過ぎ越し中は閉まっていた通常の種ありパン屋が開店。焼きたてのピタや様々なパンが売りに出され、今度はパンを買いに来る人々で混雑した。テレビに出ていたパン屋さんは、朝まで24時間開店して対応するという。
過ぎ越し終了と同時に、根っから明るいモロッコ系ユダヤ人たちは、地域でテントを貼って、一緒に踊りながらカラフルで伝統的な小さなケーキを食べて楽しむ。これをマイモーラという。
今ではモロッコ系ユダヤ人だけでなく、広くイスラエル各地でこの習慣が取り入れられている。
ネタニヤフ首相もテルアビブ近郊のオール・アキバのマイモーラに参加。インタビューでは、「今日は種なしパンと苦菜から解放される日。ユダヤ人は食べることを楽しむ。過ぎ越しの期間中、治安を守ってくれた治安部隊に感謝する。」と述べた。
<テロはなかったが事故は多発>
今年は祭日期間中、200万人以上のユダヤ人が国内の国立公園などへ遊びに出かけた。そのためか、警察が「道路はまるで戦場ようだった」というほど、全国で事故が相次いだ。
27日に発生した2件の事故だけでも計7人が死亡。24人が負傷。6人の子供が母を失った。
警察によると、過ぎ越し期間中、飲酒運転で捕まった者は少なくとも250人に上る。それらの多くは子供を同乗させていたという。イスラエルでは飲酒運転は刑務所行き。
アシュケロンでは、遊泳禁止のビーチで泳いでいたベドウィン家族の3人の息子(26才、19才、16才)が波にさらわれ、全員死亡するという悲しい事故があった。、
ネタニヤフ首相は、息子3人を一気に失ったサラヤ・ファミリーに直接電話をかけ、悲しみによりそった。ネタニヤフ首相は交通事故の遺族にも慰めを語り、マイモーラに来ていた市民らに「今日は安全運転で帰ってください」と語った。
*マイモーラを楽しんだ昨日は、午後から4年以来という砂嵐がイスラエルを覆った。砂嵐と言っても砂の暴風が吹き荒れているのではなく、いわば濃霧警報の状態。暖かい空気で北アフリカからの細かい砂がイスラエルにまで流れてきたものだったという。