ケリー国務長官が23日、ヨルダンに続いて、エルサレム、ならびにラマラを訪問。3月にオバマ大統領に同行した時を含めると5回目となる。今回は6月7日までになんらかの結果を出すことが目標と言われている。
現在、焦点となっているのは入植地問題。パレスチナ自治政府のアッバス議長は、あくまでもイスラエルが西岸地区での建築活動を全面停止しない限り、直接交渉はしないと主張している。
一方、イスラエルは、「昨年10ヶ月、西岸地区での建築活動を全面停止したが、交渉は成り立たなかった」として、問題の核心は、入植地ではないと主張。建築を停止する気配はない。
現時点ではまだ双方に合意点はなく、和平交渉が再開する見通しはない。ケリー国務長官は、「双方とも難しい決断すべき時がきている。」と語った。あと2週間で、実質的な歩み寄りができるかどうか、注目されている。
<アメリカはなぜ中東和平にこれほど力を入れるのか>
オバマ大統領は、23日、ワシントンの国防大学で演説し、イスラエルとパレスチナの和平が成立すれば、中東全体のAttitude(態度、いわば流れ)が変わると考えていると語った。
<26日にヨルダンで4者会談になるかも!?>
26日、ヨルダンのアンマンで、ケリー国務長官、アッバス議長も参加する経済フォーラムが行われる。この会議には、イスラエルからもペレス大統領が参加する。
この時にアッバス議長、ペレス大統領、ケリー国務長官、ヨルダンのアブドラ国王の4者会談が実現するかともいわれているが、まだ確定ではない。
<イギリスは悲観的>
ケリー国務長官と平行して、イギリスのハーグ外相もエルサレムを訪問していた。ハーグ外相は、イギリスは「イスラエルは西岸地区の入植地の建設をすべて停止すべき」との考えであることを明らかにした。
ハーグ外相は、「イスラエルが入植地建設を続けているので和平交渉の窓は閉じつつある。イギリスはイスラエルに対する信頼を失いつつある」と悲観的な見解を述べた。