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ガザ市民を盾にするというハマスの基本理念
イスラエルが行っている空爆は、ハマスやイスラム聖戦関連の施設、ロケット弾発射地、対戦車ミサイル発射地や見張り拠点などである。また、空爆の中でハマスの指導者たちを殺害する動きが出ている。
メディアでは、イスラエルの空爆で破壊された家屋や、市民たちの無惨な様子が報じられるが、イスラエルが民間施設を無差別に攻撃しているのではない。ハマスがイスラエル攻撃の拠点を病院や学校などの民間施設の中や下など、すぐそばに置いているので、民間人への犠牲が避けられないのである。
It is morally obscene to compare #Israel and #Hamas.
Hamas uses Palestinian civilians, including children, as human shields to target civilians in Israel.
IDF defends the people of Israel from this wave of terror.
End. Of. Discussion. pic.twitter.com/WU4lULo723
— Arsen Ostrovsky (@Ostrov_A) May 19, 2021
今、ガザの人々は、一斉に南部への避難を開始しているが、なかなか前に進まない。道路では長蛇の渋滞になっている。イスラエル軍のコンリクス報道官は、ハマスが物理的に、車道を閉鎖し、移動を妨げている様子を発表した。
またアメリカのメディアなどが、渋滞になっている車列に、イスラエルが空爆したため市民70人が死亡したと報じた。しかし、コンリクス報道官によると、爆発の映像をみると、上空からではなく、地上にあった何かが爆発していると指摘。
イスラエル軍の標的は軍事拠点であり、市民の車列を標的にはしていないのであり、だいたい、その地域への攻撃は行っていないことを強調した。イスラエル軍は、ハマスによるものだと指摘した。
ハマスが民間人を盾にして戦ってきたことは、今に始まったことではない。
こういう中ではあるが、イスラエル軍は、北部のガザ市民100万人以上のうち60万人ぐらいは南部へ移動したとみている。
エジプトとガザのラファ国境:イスラエルが水と薬の搬入再開
南部へ移動できたとしても、ガザの人々がいる場所などなく、路上に多くの人が溢れているようである。唯一の希望は、エジプトへの検問所からガザの外へ出ることだが、お伝えしているように、エジプトはまだこの扉は閉じたままである。
ただアメリカ政府は、アメリカ国籍を持つパレスチナ人については通過を認めるとの約束を取り付けたとの情報があり、対象者は、今のうちにラファの国境へ移動するよう指示されている。
国連は、ガザ市民が直面している危機が、大きすぎる人道危機だと警告している。
ネタニヤフ首相とバイデン大統領は相談・合意し、先週金曜日から、ガザ地区南部に、水道管からの水の供給を再開した。またエジプトとガザの検問から人道支援物資の搬入が始まるとの情報もある。
目標の一つは、ガザ市民を支援するだけでなく、ガザ北部の市民の南部への移動を促進するねらいもある。
ところで、なぜガザはイスラエルから水を供給してもらわなければならないのか。ガザ地区は、2007年にハマスが支配者になって以来、水道下水道の設備を整えてこなかったため、水道管が崩壊し、下水が混じるなどして、飲める状態ではなくなっていた。ガザは、戦争が始まる前から水の需要の3分の1をイスラエルに頼らざるをえなくなっていたのである。
www.timesofisrael.com/israel-says-it-is-restarting-water-supply-to-southern-gaza-strip/
石のひとりごと
一般メディアでは、イスラエルが、ガザの市民を無差別に殺害しようとしているという概念が定着しているかのようである。
無論、市民たちの犠牲は避けられないのであるが、これはイスラエルが望むところではない。そういう環境を作ったのは、市民を盾にしてきたハマスなである。
ハマスは、人々を盾にしているが、イスラエルは、市民を背後に急ぎ避難させている。冷静に考えれば、ガザの市民がうらむべきはハマスである。
もともとイスラエルが建国したのが始まりだとの解説があるが、今起こっていることが、その75年間に端を発しているとして、もともとイスラエルが悪いと言われたら、そうだと思う人も少なくないようである。
それが正しいかどうかは別として、それで、現時点でのハマスの悪を正当化するのはやはり、かなりおかしいのではないだろうか。