ガザでの新たな攻撃を前に、ハマスとイスラエルの交渉をなんとかしようと仲介国が奔走しているが、今のところ、ネタニヤフ首相に、当初のガザ全域制圧の計画を変える様子はない。

イスラエル軍のザミール参謀総長もガザ市への攻撃準備に入っており、ガザ市周辺ではすでに戦闘が続いている。
こうした中、Times of Israelによると、ガザ市東部からは、すでに数千人が南部へ移動し始めている。
それによると、ガザ市東部、ベイト・ラヒヤのパレスチナ人のシェルター管理者のアフマド・ムヘイセン氏が、この数日で995家族が、南へと出発して行ったと語っているとのこと。
ガザ市には、100万人の市民が住んでいるといわれている。ムヘイセン氏は、南部の緊急避難所には新たにテント150万張が必要だが、これまでに入荷が許可されたのは12万張だと言っている。
www.timesofisrael.com/thousands-of-palestinians-flee-gaza-city-fearing-planned-israeli-invasion/

こうした中、ガザに搬送する食糧1200トン(UAEが様々な国、団体、組織の寄付で準備)を乗せた船が、ギリシャを出発し、アシュドド港に到着した。
これらはワールドセントラルキッチン(NGO)から配布される予定で、食糧の空からの投下より、効果的に届けられると期待されている。南部の新たな避難地域で使われる可能性もある。
石のひとりごと
ガザの人々のことを思えば、本当に悲惨としか言いようがない。しかし、このことの責任は、イスラエルだけにあるのではなく、ハマスやガザを支配するテロ組織にもおおいにある事を忘れてはならない。
ハマスたちは、これまでイスラエル市民を殺してきた組織なのである。世界は、イスラエルに自衛権はあると認めてはいるが、ガザでの死者が6万人を超えた今(ハマスの主張数字)、イスラエルの防衛は行き過ぎだという理解が、定着しつつある。
そのため、日本では特にだが、世界では、ガザ情勢を伝える中で、パレスチナ人テロリストたちが、イスラエル人にしてきたテロについては、まったく、本当に驚くほどにまったく語られなくなっている。
オスロ合意でイスラエルは、あの世界をハイジャックで翻弄した、PLOのアラファト議長と握手し、パレスチナ国家設立に合意し、その準備に協力していた。
ところが、その後、パレスチナ人によるテロは増えたのである。治安維持にとパレスチナの警察に供給した武器が、イスラエル市民に向かって使われたのである。
その後ハマスが立ち上がると、自爆テロで市内バスが爆破され、マーケットや、ピザ屋でピザを食べていた市民が吹き飛ばされた。筆者はその時の現地を知っている。
また、今回の戦争の始まりであった10月7日の悪魔的なまでのハマスによる暴行も、日本ではまったくといっていいほど報じられていない。
何も知らない“専門家”たちが、イスラエルだけを攻める様子に耐え難い怒りを覚える。
それでもイスラエルは、ガザの一般市民は別だと主張している。誰が一般市民かもわからないのだが。この不条理。主はすべてご存知であることを思う。
