ガザ市包囲で激戦も作戦は順調とIDF:武装ハマス130人死亡・イスラエル兵23人目戦死 2023.11.3

inside the Gaza Strip, November 2, 2023. (Israel Defense Forces)

ガザ市を包囲しているイスラエル軍

ハマスがガザ国境でイスラエル人を残虐に殺害してから27日が経過した。ハレヴィIDF参謀総長によると、ジャバリヤ難民キャンプと制覇したイスラエル軍は、いよいよハマス最大の拠点であるガザ市を完全に包囲したと発表。

すでに一部は中へ突入。進軍を続けている。空軍も地域への爆撃を継続して地上軍を助けている。これまでのところ、作戦は順調だと語っている。

しかし、地上では、トンネルから出てくる武装ハマスとの銃撃戦となり、武装ハマスが20人は死亡。現場で工兵部隊長を務めるイド・ミズラヒ准将は、戦場は、狭い住宅街であり、あらゆる罠や地雷、伏兵がいるという。高度な戦闘の技術が必要だと語る。ハマスがイスラエル軍の侵攻を予想して準備をしていたことは明らかだとロイター通信に語っている。

以下は現場の様子。兵士の声は「伏兵と戦った。テロリスト数十人死んだが、イスラエル軍に負傷者はない。」と報告している。

人質の数は調査が進む中で増え続けており、5人解放されたが、まだ242人となっている。今の所、人質に関する情報はない。2日のTimes of Israelによると、ガザ上空で人質の位置を探しているとみられるアメリカのドローンが目撃されている。

イスラエル兵19人目戦死:ドルーズのサルマン・ハバカ大佐(33)他戦死

Lt. Col. Salman Habaka
IDF

昨日のガザ内部での戦闘で、ユダヤ人でない、ドルーズ族の第188機甲旅団(戦車隊)第53大隊司令官のサルマン・ハバカ大佐(33)が、戦死した。

ハバカ大佐は、10月7日の虐殺現場であったキブツ・べエリで戦いヒーローの一人に目されていた人物で、これまでの戦死者で最も高位の司令官であった。妻と2歳に息子が遺族となった。

www.timesofisrael.com/senior-idf-officer-who-fought-hamas-in-beeri-killed-in-gaza-fighting/

イスラエル兵の戦死者数は時間がたつごとに増えており、名前は全部の挙げられていない。

この記事を書いている最中に、新たに4人が戦死したとのニュースが入っている。戦死したイスラエル兵は、ガザ突入以来23人、10月7日以来の累計は、336人になった。

北部ガザ民間人の様子:ジャバリア難民キャンプで女性子供100人を盾にしたとIDF

イスラエル軍によると、これまでに死亡した武装ハマス130人。民間人については、ガザ北部から最終的には80万人は南部へ避難したとみられているが、南部でもイスラエル軍の攻撃があり、結局北部に戻っている人もいる。数十万は戦場に残っているとみられる。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/footage-emerges-from-golani-brigades-fight-against-dozens-of-hamas-fighters/

ジャバリヤ難民キャンプでは、巨大なクレーター状の爆撃後の瓦礫の中から、死傷者を引き出す作業が行われている。昨日の時点で、確認された死者数は195人。負傷者777人。不明者120人。

イスラエル軍は、ジャバリア難民キャンプでの戦闘の際、ハマスが女性や子供100人を前に出して文字通りの盾にしていたと報告している。それをどう扱ったかは不明。

その後は、アルジャジーラはじめ、世界のメディアもジャバリヤの被害の様相を伝える記事が、意外に少なくなっているようではあるが、民間人死傷者が最小限であればとも願うばかりである。

www.aljazeera.com/news/liveblog/2023/11/3/israel-hamas-war-live-israeli-forces-gather-outside-gaza-city

なお、ガザからの報告によると、これまでのガザでの死者総数は9000人(3760人子供)となっている。しかし、民間人と武装ハマスの区別は不明である。

www.timesofisrael.com/israeli-troops-roll-into-gaza-city-as-ground-offensive-intensifies-idf-toll-rises/

イスラエルへのロケット攻撃:家屋直撃も住民はシェルターで無事

これほどの破壊の後でもハマスはまだイスラエル国内へロケット弾を発射している。昨夜もテルアビブ近辺、特にベエルシェバに多数が飛来した。

しかし、迎撃ミサイルの発動するなどして、住宅に着弾したのは1発のみ。家屋は大きな破壊を受けたが、住民は、シェルターに入っていて無事だった。

IDFハガリ報道官より:イスラエルはガザの民間人と戦っているのではない

2日、IDFハガリ報道官は、公式のメッセージを発信。「イスラエルはハマスと戦っているのであり、民間人と戦っているのではない」と難路も強調した。

だからこそ、食糧や水、医薬品の搬入が迅速に行われるようにしている。エジプトへの避難も行われている。燃料については、ハマスはガザの病院から盗んで、武器に使っていると避難した。

ハマスは民間人のことは気にしていない。だから戦闘の最前線からできるだけ早く南部へ避難するように。そのためのルートも確保すると市民たちによびかけた。

 

石のひとりごと

別記事にしたいと準備中だが、イスラエル人の友人たちの話を聞いていると、戦地で戦っている兵士たちは、たとえ自分に直接関係のない人々であっても、ほとんど自分の息子かなにかのように感じていることがわかる。心にある思い深いものを感じる。

10月7日の大虐殺が、どれほどにイスラエル人全員に覆いかぶさっているかも私たち第三者にはわからないほどの何かが彼らの心に闇を落としている。

ある人は。「それでも生きるしかない」というホロコーストの時のような言葉を送ってきている。

とはいえ、ハマスには大きな怒りを感じても、パレスチナ人全体が死んだら良いとも考えていないことも確かである。

私たちの神は全知全能。すべての上におられる。なんとしても、この戦争は早期にイスラエルに勝利となるように。兵士も人質も全部を無事に戻してくださるように。何も知らないで、犠牲になっているパレスチナ人たちもこの深い悪の暗闇から救い出してくださるように

いと高き方の隠れ場に住む者は、全能者の陰に宿る。私は主に申し上げよう。「わが避け所、わがとりで、私の信頼するわが神」と。(詩篇91:1-2)

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。