ガザ内部では戦闘がまだ続いているが、その周辺地域では、ガザからのロケット弾攻撃も、かなり少なくなっている。周辺のキブツや、特に北部のスデロットにも、避難していた住民が帰宅し始めている。
ガザ北部国境から7キロに位置する町、スデロットは人口2万7000人で、これまでからもガザ地区からのロケット弾の被害を受け続けていた。10月7日には、100人以上のハマステロリストが町に侵入し、少なくとも70人の住民が虐殺された。
その後もロケット弾攻撃が続いたため、家屋も多くが破壊されている。この事態を受け、スデロット住民の90%が、エイラットに二次避難を強いられていた。町はゴーストタウンにようになっていた。
しかし、今年に入り、ロケット弾攻撃もほぼ沈静化したことから、人々が戻り始め、3月3日には、小学校から中高生の学校も再開された。
再開されたのは、市内の約100の学校で、戻ってきた子供たちは、55-60%だという。ここ数ヶ月の間、学校は、イスラエル軍が使用していた。
アミット・ハロー小学校での開校式に参加したアロン・ダビディ校長は、子供たちがさらに戻ってくることを楽しみにしていると語っている。
避難民が帰宅を始めた背景には、政府の補助金の終焉が見え始めたこともある。イスラエル政府は、南部住民の再定住計画を進めており、現在ホテルで避難生活を送る南部住民(北部はまだまだ帰れない)6万人については、ホテル滞在非常の補助が7月1日までとなっている。
再定住するにあたっては、今なら最大限の補助を受けられるが、その額は週ごとに減額されるという。しかし、4か月も空き家にしていた家は、破損が多く、復興には時間がかかりそうである。
帰宅した一人、ノーム・シュロモーさんは、冷蔵庫を捨てるなど、自宅の整備にとりかかっている。しかし、殺された人を知っているなどで、自分の心が前と同じではないことを語っている。これから復興し、皆で楽しくバーベキューをしたりもするだろうが、その心の思い傷は残り続けると語っている。
なお、スデロット以外の被災したキブツにも住民が戻る動きがある。