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ガザ南部に避難したパレスチナ市民たち
停戦が始まって4日目を迎えるガザ南部ラファ国境では、国外に出ようとする人々もおり、混み合っている。
国連は、北部から避難してきた人々のために、カンユニスや、南部アル・マワシに特設のテント村を設立している。
しかし、先週ぐらいから、イスラエルも含め、雨が降って底冷えする冬に入った。雨も降って悲惨である。この中で、休戦になったので、北部の実家へ帰ろうとする人が出たということである。
しかし、北部の激しい破壊は、もはや帰る家がないこともあわらしている。以下はガザ市内の様子。
以下は、イスラエルに止められながらも、停戦開始後、北部に戻った人々の様子。
瓦礫と化した自宅の前で呆然としている。この家族は、一族から7人が死亡したという。これまで、何度も家が破壊されては再建してきたという。「ほんとうにいつになったら終わるのか」と語っている。
ガザ自体が、この状態の中で50日。今イスラエルに戻ってきた人質たちが、比較的健康な様子からすると、明らかに、ハマスがしっかりと安全な場所で彼らを養っていたことがわかる。
やはり、ハマスは、ガザ市民のことはかまうことなく、自分たちのニーズだけは、確実によい形で満たしているということではないだろうか。
ガザで今年夏にあった反ハマスデモ
ガザの人々もバカではないだろう。2007年ごろは、汚職にまみれたパレスチナ自治政府にあいそをつかして、ハマスに投票した人も、それから16年。何度もイスラエルと戦争を繰り返して、市民の生活は悪化する一方だった。近年では、水道も下水も破壊され、電気も止まり、もはや人が住める場所ではなくなりつつあると言われていた。
当然ながら、ガザでも反ハマスデモ。。とはいえ食糧、電気、ガスなどを求める大規模なデモが、今年7月末に発生していた。
デモは、役所が境界線を設立しようとする中で、ガザの男性を生きたまま瓦礫の下へ放り込んで殺したことで始まっていた。ガザ市民たちは、カンユニスで、ハマスを批判した。
群衆は、「ハニエよ。アッバスよ。電気はどこだ?ガスはどこだ?犠牲者は市民だ。」「市民は、ハマス・ファタハ(パレスチナ自治政府)の分裂に終わりを求める。」と叫んでいる。ハマスに投石もしたようだが、ハマスに鎮圧された。
www.memri.org/tv/khan-yunis-gaza-protest-against-hamas–end-fatah-rift-electricity-cooking-gas
mtolive.net/ガザで反ハマス・デモ数千人規模-2023-8-1/
ガザにこれほどの破壊をもたらした、ハマスに反発する市民は少なくないだろう。今も停戦とともに、200台(うち50台は北部へ)の人道支援物資を乗せたトラックがガザに入ったが、ハマスがそれを妨害する様子も伝えられている。
イスラエルの治安関係者も、ハマスを撃滅することが、ガザの市民たちのためでもあるということを戦闘の意義として上げるようになっている。