目次
ガザで反ハマス・デモ:数百人が参加
3月25日(火)、ガザ住民たち数百人が、ガザ地区内少なくとも3か所で、ハマスの支配と戦争に抗議するデモを行った。
ベイトラヒヤでは、約100人が、「戦争をやめろ」「子供たちは生きたいのだ」と書かれたプラカードを掲げて、戦争とハマスによる統治の終結を叫んだ。人々は、「ハマスは出ていけ」とまで叫んでいた。
インドネシア病院の前では、「平和にYes!ハマスにNo!」と叫び、白旗を掲げる者もいた。以下のクリップでは男性が、「戦争はもう十分だ。破壊はガザにもう十分だ」と言っている。
🚨BREAKING: Massive protest in front of the Indonesian Hospital in northern Gaza. The protest demands: “Yes to peace, no to Hamas’ tyrannical rule. Enough of the war, enough of the destruction—in Gaza.” pic.twitter.com/kV5PNMFG8C
— Ihab Hassan (@IhabHassane) March 25, 2025
「ガザはカオスだ。ここにいる人々は、生き残るために、人質の解放を求める」「ハマスは今起こっていることを止めるべきだ。我々は全世界に向けて言うが、我々は、ハマスの支配を拒否する。」との声もあった。
また、ハマスを批判せず、こうした一般人のデモは報じない、アラブメディア、アルジャジーラに疑問の声を上げる者もいた。
ベイトラヒヤで、反ハマス・デモが発生すると北部など他の地域でも発生した。
ハマスが一般人の服装で入り込んできてデモを解散させようとしたという証言もある。人々は、ハマスに身元を特定されないよう、携帯は持たずにデモに参加していたという。呼びかけたのが誰かは不明。
こうしたデモは初めてではないが、非常にまれである。最後は、2024年1月に発生していたそうだが、メディアでは、あまり取り上げられていなかった。
www.jpost.com/middle-east/article-847577
イスラエルはガザ軍事支配計画か
3月18日(火)にガザでの戦闘を再開してから1週間。イスラエル軍によると、これまでに420か所を攻撃。ハマス戦闘員150人が死亡した。ハマス保健省は、この間に700人近くが死亡したと言っていた。
こうした中、カッツ国防相が、ガザの占領について発言したことで、物議となった。
しかし、23日、ダーマー戦略大臣が、今週、ワシントンを訪問し、ガザの軍事支配について、アメリカと協議することをメディアに明かした。
軍事支配する地域には、今停止している支援物資の配布も再開していく計画とのこと。
この件について、ネタニヤフ首相は電話でルビオ米国務長官と話し合っており、アメリカはイスラエルを支持するとの確認はとれているとのこと。
イスラエルとアメリカは、これまでガザ地区の支配は避けようとしていた。軍事力、資金力等を割きたくないからである。
しかし、今、政府が右傾化するとともに、トランプ大統領が就任したことで、その方針が変わった可能性が指摘されている。
実際に実現するかどうかはわからないが、ワシントンポストは、今ガザを軍事支配するためには、イスラエル軍の5師団が必要になるとの試算している。イスラエルにとっては非常に重い任務になると予想される。
www.timesofisrael.com/israel-to-discuss-military-control-of-gaza-with-senior-us-officials-source/
石のひとりごと
ガザのパレスチナ人によるデモは、イスラエルの攻撃をやめさせようとするハマスの策略の一つではないかとの疑念もないことはない。しかし、実際にガザの人々が、こうした声をあげたこと、人質解放にまで言及している事に興奮を覚えた。涙も出た。
ガザの人々は、ハマスのマインドコントロールを受け、10月7日の襲撃の際には祝いをしていたが、さすがに、戦いが1年半に及び、ガザがここまで破壊されたことを受け、ハマスこそがその原因だったと気が付く人もいたということである。
ガザ地区をイスラエルが軍事支配することは、屈辱かもしれないが、ガザ市民の実質的な面では必ず改善すると思う。
実現するかどうかは、まだわからないが、ガザの人々が、ハマスの悪から心身魂ともに解放され、まともな人に戻れるように。ガザの内側から、人質を解放して、戦争を終わらせる日が来るようにと祈る。