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ハマスに反抗するガザのパレスチナ人活動家
ガザに住むパレスチナ人、アミン・アベド氏(35)は、2019年に、ガザの物価高について、ハマスを批判するデモを主導した活動家である。それ以降も、時々ハマスを批判して何度も逮捕されていた。
以下は元気な時のアミン・アベド氏
Hamas militants brutally kidnapped Palestinian political activist Amin Abed, viciously assaulting him with batons and striking him on the head with sharp tools. He is now in critical condition in the hospital, fighting for his life.
Our hearts go out to Amin as he battles to… pic.twitter.com/m2c9BuXzrs
— Ihab Hassan (@IhabHassane) July 8, 2024
アベド氏は、10月7日のハマスのイスラエル襲撃を批判している。それがイスラエルをガザを攻撃させたことから、ハマスとイスラエルはパートナーだと言っていた。
先週、BBCのインタビューで、「ハマスは、ガザの外で快適なエアコンの下にいる。彼らを支持しているのは、国外にいて子供や家、未来や手足を失ってない人々だ」と述べ、「10月7日の攻撃を否定する権利は維持していく」と語っていた。
また、数日前、サウジアラビアのテレビ、アルアラビアにも出て、ハマスを批判し、Tik Tokで拡散されたという。(そのデータはみつからない)
さらに8日、アベド氏は、フェイスブックに「ハマスは、パレスチナ人を分裂させ、祖国への夢を壊した。」「私たちは本当に疲れている」などと、長々とハマスを批判する投稿をアップした。
するとその日の午後、アベド氏は5人の覆面の男たちに、廃屋に連れて行かれ、斧のようなもので襲われてリンチされた。
BBCによると、アベド氏は、イスラエルの代理人とか、裏切り者とか罵倒された。男たちは、10月7日の英雄的なことの批判を2度と書けないように、指を折れと指示していたという。写真では、アベド氏の両腕が包帯で巻かれているのがわかる。
通行人が、リンチを止めようとすると、「我々はハマスの治安関係者だ」といいながら、空中に威嚇射撃をしたという。その後男たちが去って、アベド氏は、ようやく病院に搬送された。
www.facebook.com/reel/1043369420541163
その後、アベド氏の父親が、ハマスという言葉は出していないが、息子をリンチした者たちを公に非難するとの声をXにアップした。
The father of Amin Abed after his son was brutally attacked by Hamas Muslim Brotherhood savages in Gaza. pic.twitter.com/g8R4wUmXtL
— Avi Kaner ابراهيم אבי (@AviKaner) July 8, 2024
パレスチナ自治政府は、ハマスの名前を上げずに、アベド氏を襲ったものたちを批判する声明を出した。
www.bbc.com/news/articles/cx82xx9pj5do
ガザ内部で拡大する?反ハマス感情(BBC記事より)
ガザでは、ハマスの支配力は、実質失われており、無法状態になっている。人道支援物資は強奪され、犯罪を取り締まるものは何もない。ハマスへの反発の声も取り締まれなくなっているのだろう。
今月初頭、BBCは、ハマスに怒りをぶつけるガザ市民の様子を伝えていた。
その中で、パレスチナ人の医師が、「私たちはいい人生を送ってたのに、ハマスが来た。
ハマスは、私たちが血を流すことに慣れてしまった。ハマスはクズだ。神がハマスを呪うように。」とまで言っていたという。
先にイスラエルの女性兵士5人の拉致の様子が、ネット上に流れると、ガザでは、これがイスラムに正しいことなのかとの批判も出た。
BBCの記事によると、今や市場では、ハマス指導者らに対する呪いの声が一般的になっているという。人々は、10月7日について、「あれがなんの益になったのか。イスラエルに(ガザを攻撃させる)贈り物だったではないかという人もいるとのこと。
ガザにもイスラエルとの停戦を受け入れるようにいう人もいる。
一方で、まだハマスを支持する人もいる。そういう人は、「戦いについては、ハマスだけがわかっているのであり、私たちにはわからない。それに反対することは、イスラエルに益になるだけだ」と言っている。
なお、パレスチナ人による世論調査によると、ガザのパレスチナ人のハマス支持率は、上昇傾向にあり、戦争後もハマスが支配することに合意している人は約半数だという。
www.bbc.com/news/articles/c0vewvp14zdo
石のひとりごと
ハマスは、世論に非常に敏感だともみられている。一部ではあるが、ハマスに批判的なガザ市民の存在が、将来のハマスとイスラエルの関係にどう影響するだろうか。
しかし、ハマスを憎んだとしても、パレスチナ人が、イスラエルに流れることは期待できないだろう。
ハマスもイスラエルも、両方憎いというのが、ガザのパレスチナ人ではないかと思う・・ガザのパレスチナ人たちの霊肉の解放を祈らなければならない。