イスラエルでは、海水を脱塩して淡水にする技術が実業化され、今では、水位が下がる一方だったガリラヤ湖からの水のくみあげはほどんと0となっている。
しかし、最大の淡水化工場の一つで、ガザのすぐ近くにあるアシュケロンの淡水化施設で、深刻な問題が発生し、稼働が中止。結果として淡水の供給が半分になっているという。
*半分になっても、カバーできるシステムがあるようで、今の所、イスラエル国内の生活にはまったく影響がない。
ガザ地区では、電力が常に不足しており、そのために汚水処理が行えなくなっている。やがては、汚水が海に垂れ流しになって、イスラエルにも影響して来るとは以前から指摘されていたことだった。地元メディアによると、とうとう、それが実際となってしまったということである。
ガザからの汚水は、しばらく海水に垂れ流しとなっていたが、それがイスラエルに沿岸にも流れ込み、アシュケロンの淡水化工場が海水を取り入れると、健康問題になるほどの大腸菌や他の菌が含まれてしまうのだという。
アシュケロンでは、ビーチの使用も禁止となっている。
ここに至までなぜ放置していたのかだが、エネルギー省のユバル・ステイニッツ氏が、(電気の)問題について報告を聞いたのは数日前だと言っているのに対し、電力会社は3年前から政府には、警告していたと主張している。
<ガザ地区に送電している電気はどうなっているのか>
今後どうするかだが、環境保全省のガビ・アバイ氏は、「ガザから垂れ流される汚水は相当な量で、元を絶たない限り、イスラエルに流れてくるのを防ぐだけでは意味がない。」と言っている。
しかし、イスラエルを抹殺すると言い続けているガザ地区に、イスラエルが無償で電力を供給しなければならないというのも、なにやらおかしな話である。またもしガザへの送電を増やすとなると、防衛問題も関与してくることになる。
COGAT(ガザとイスラエルの間の物流を管理するイスラエル軍の部門)は、「イスラエルはガザ地区に電力を送っている。それをどう分配するかはパレスチナ人だ。まずは電力がどのように分配されいるのかを調べると言っている。
それにしても、このガザの汚水処理場、国際支援の一環で、1億ドル(120億円)もかけて建設したという。電力をどこから調達するのかまでは、考えなかったのだろうか。
これほど高価な汚水処理場がまだ一度も稼働していないというのもなんとも無責任な話。お金をだすだけでは、支援にはならないということのようである。