エルサレム西郊外キブツ・ツォバでナイフテロ:イスラエル人2人負傷 2025.9.13

Emergency vehicles arrive at the scene of a stabbing attack at Kibbutz Tuzba, west of Jerusalem, on September 12, 2025. (Magen David Adom)

9月12日(金)、エルサレムに近い、キブツ・ツバのホテルのダイニングルームで、パレスチナ人の男が、キッチンからナイフを取り、「アラー・アクバル!」と叫びながら、ナイフで、イスラエル人たちに斬りかかった。

これにより50代男性が胸を刺されて重傷。パーキングにいて後ろから刺された23歳男性が中等度の負傷を負った。2人とも命に別状はない。

on September 12, 2025. (Israel Police Spokesperson)

犯人は、東エルサレムのシュアファットに住むパレスチナ人で、このホテルの従業員だった。過去に治安上の問題がある人物だが、今回の犯行の際、死にたいと叫んでいたという。自殺願望のテロであった可能性がある。

ハマスは事件を賞賛したが、犯行声明は出していない。

www.timesofisrael.com/two-wounded-one-seriously-in-suspected-terror-stabbing-at-hotel-west-of-jerusalem/

石のひとりごと

このテロ事件は、死者がなく、自殺願望でのテロ事件だったせいか、ニュースサイトからはすぐに消えていた。

テロを起こすことで、イスラエルの治安部隊に殺されるという方法で自殺をこころみるパレスチナ人は少なくない。それによって、殉教者とみとめられ、パレスチナ自治政府が、家族に補償金を出すからである。

イスラエルはこの補償金を止めるために、パレスチナ自治政府に代わって徴収している税金の送金を止めているのだが、それで、経済はされに悪化し、パレスチナ市民の生活はさらに悪化。テロをするしかない。この悪循環なのである。

しかし、このパレスチナ人男性も主が創造された、大事な一人だと思うと悲しい思いだ。なぜそこまで自分を落とし込んだのか。

こんな状態にあるパレスチナが国となり、イスラエルと平和に共存できると考える世界は、やはりおかしいとしかいいようがない。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。