クネセト周辺で10万人規模の反政府デモが行われたが、同じ頃、超正統派も従軍すべきだと訴えるグループ、“ブラザース・イン・アームス”(軍の兄弟姉妹)が、ユダヤ教超正統派居住地のメア・シャリームで、「従軍するべき」と叫び、超正統派たち、警察とも乱闘になった。逮捕者が一人出た。
イスラエルでは、一般市民には、男女ともに、一定年齢に達すると従軍する義務があるが、超正統派ユダヤ教徒の中でも、特に献身して神学校で学ぶ学生については、これを免除するという法律がある。
これに、近年、国内から不平等だとする意見が高まり、この法律は延長せずに終わらせる方向で政府も動き始めていた。
これについて、超正統派の代表的なラビである、ラビ・モシェ・ヒレル・ヒルシュは、「超正統派を従軍に追い込もうとする者たちは、トーラーの学びと祈りが、国を助けていることがわかっていない」とし、国はトーラーに犠牲を払うことを考えるべきだと述べた。
何度かの延長の後、最終的にこの法律は3月末(実質的には安息日前の)30日で終わりを迎えたため、今後、超正統派も従軍の義務が発生することになった。これはイスラエルにとっては、歴史的な変化である。
現時点で、ネタニヤフ首相は、従軍対象となる年齢の男性が学ぶユダヤ教神学校(イシバ)の補助金給付を止めたが、徴兵については、具体的な動きはまだ見えていない。
さらには、抜け道も可能になる可能性もみえはじめている。そのせいか、ユダヤ教政党が、政権から離脱するとの動きは今の所みえていない。
www.timesofisrael.com/top-haredi-rabbi-push-to-draft-us-into-army-is-fueled-by-hatred-of-torah-life/
ミアラ司法長官は、4月1日から超正統派神学生の徴兵はもはや免除されていないとして、防衛省、教育省など関係省庁に対処するようにと書面での要請を出したとのこと。
石のひとりごと
復活祭の日曜、エルサレムでは、イスラム教ラマダンの最中だったが、午前中には、プロテスタントとカトリックがそれぞれの復活祭を祝った。
その夕方、クネセト前では、主に世俗派たち10万人近くが反政府デモを行った。さらに、同じ頃、メアシャリームでは、超正統派と世俗派が、従軍問題で争っていた。
この多様性。これこそ、エルサレムである。人類のあらゆる文化、考え方をもとに、ユダヤ人とその滅亡を願う敵対者との争いだけでなく、ユダヤ人同士でも意見の違いで争っている。天の神である主のためいきが聞こえそうである。
このすべてのことの上におられる主の前にユダヤ人と、すべての人類がへりくだるときが来ることは想像に難くない。