エルサレムの通りに響く角笛:神のメッセージは? 2020.9.21

スクリーンショット スリホットの際に外で吹かれた角笛 https://youtu.be/RCcA9LqDvAI

新年に空っぽのシナゴーグ

新型コロナに反政府デモと混乱が続く中、シナゴーグや、教会、モスクでも人々が集まれなくなり、宗教の本質が問われる時代に入ったようである。イスラエルでは、毎年華やかに祝われていたシナゴーグが、今年はまったく空っぽである様子を見て、改めて関係者がショックを表明している。

エルサレムのグレート・シナゴーグは、1958年、近代イスラエルの公式のシナゴーグとして建てられた。それにふさわしく、かつての神殿を模した形で建てられている。このシナゴーグが、新年、またヨム・キプールに誰もこないなどありえないことであった。

映像を見ると、もはやSFの感じすらする。グレート・シナゴーグの総責任者のジャリー・ジャフェさんは、苦痛の表情で、「最も重要なのは、人々の命を守ることだから・・。」と語っている。

また、エルサレムのナハラオットには、イスラエルが建国する前から、130年以上続く伝統的なシナゴーグが複数ある。それが今年は、なんと目に見えない敵のために空っぽだという。関係者はショックを隠せない様子である。

通りで吹き鳴らされる新年のショーファー(角笛)

今年は、新年20日朝、その直ぐ近くの通りでは、本来ならシナゴーグに行かなければ聞こえなかった、新年を祝うカンター(テノール)の声や、角笛が通りで聞かれていた。以下は、グレートシナゴーグから歩いて10分かからないところにオフィスがあるCBNNews Jerusalem datelineのFacebookからの映像(角笛の音は、8分たったあたり)

The blowing of the shofar on Rosh HaShanah and the beautiful sounds of celebrations!During the lockdown in Israel, synagogues are meeting in small gatherings, at people’s homes because all synagogues are closed.

Jerusalem Datelineさんの投稿 2020年9月20日日曜日

以下の映像は、通りで祈りがささげられ、ショファーが天にむかって吹かれている様子。逆に外で角笛が吹き鳴らされたことで、通常ならシナゴーグにいかない人もその音を聞いたということである。

プロセスと危機の向こうにある大きな計画:ティム・ディレナ牧師(タイムズ・スクエア・チャーチ/ニューヨーク>

新型コロナ・パンデミックの大きな被害を真っ先に受けたニューヨーク市では、おそらくコロナによる死者という人も入れると累計で、2万3777人が死亡した。今も23万5649人が感染し、5万7507人が入院している。

www1.nyc.gov/site/doh/covid/covid-19-data.page

このため、ニューヨーク市マンハッタンにあるタイムズスクエアチャーチでは、3月中旬から、集まっての礼拝ができないままである。

感染が少し落ち着いてきたことを受けて、礼拝の再開への要望もあった。しかし、今また再び感染が拡大しはじめる傾向かあり、これから冬に突入していくことから、ディレナ牧師は、再開は難しいと判断したとのことであった。

礼拝、祈り会は、これまで通り、オンラインで継続する他、様々な小グループに分かれての交流、貧しい人々への支援活動は継続していくとのこと。

ディレナ牧師は、9月13日のメッセージで、コロナ危機が、終わるかと思ったらまた。。という繰り返しで、いったいこれはどういうことなのか、神はいったい何を計画しておられるのかと問うたと語った。

ディレナ牧師は、まず、教会が以前の状態に戻ると考えているならそれは間違いだと述べた。

私たちにわからなくても神が良いお方であることに間違いはないことから、今の困難、これは教会が次のステージ、これまでに経験したことのないような大きな祝福のステージに進むためのプロセスであることを悟ったと語った。

なぜなら、私たちは、何か大きな危機にあったときこそ、変われるからである。また、主はことをおこされるとき、十分なプロセス(準備期間)をとってから本当の危機に私たちを埋め込まれる。

使徒の働き8章をみると、教会が、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、および地の果てにまで広がっていったのは、教会が最大の迫害の中にあった時であったと指摘。しかし、その前には、2章があり、プロセスの時間がとられていたとも述べた。

ディレナ牧師は、次の大統領が、トランプ大統領かどうかは全く関係がないと強調しながら、アメリカではこの5年以内に、イエスを信じると言ったり祈ったりするだけで、逮捕されるような迫害の時代を迎えるだろうと述べた。

その根拠として、タイムズスクエアチャーチ自身が数十年前に開拓した薬物中毒回復のミニストリー、ティーンチャレンジが、政府の補助を受けたことで、祈れなくなったという、ありえないことが起こり始めていることを例としてあげた。また、今、最大のクリスチャン人数を誇るのは、あの迫害下にある中国だと言った。

今後、教会に集まれない日が来るだろうとディレナ牧師は語る。それに備え、それぞれが、使徒の働き2章のように聖霊の力を受けること、すなわち、生まれ変わることが不可欠であること、また小グループで集まることにも慣れておく必要があると述べた。教会が建物の時代から人々が教会になっていくということである。

タイムズスクエアチャーチでは、そのリーダーになれる人を開拓し、今からその準備を始めているという。今、新型コロナで集まれないというのは、その流れを進めるためのプロセスの一環だとディレナ牧師は考えている。

その次なるステージだが、中国の地下教会の名前も著名な牧師、伝道者の名前をいっさいあげることができないことを挙げ、ただイエスの名だけが聞こえる、そんな時代になると語った。それは、今とは違う、なにか大きな祝福の時だとディレナ牧師は興奮して語っている。

また、ことはどんどん変化している。今罪の支配から生まれ変わる時が来ていると、オンラインで見ている人々に強く呼びかけていた。

<石のひとりごと>

日本では、まだここまでの危機感はなく、持つ必要はないのかもしれない。しかし、エルサレムでは、主が定めた例祭にシナゴーグが空になり、神殿の丘も一時空になった。(今は空ではない)そして、今、アメリカで代表的な教会の一つ、タイムズスクエアチャーチが空になっている。

クリスチャン人口1%の日本で宣教が拡大する時にも、大きな危機や迫害がある時になるのだろうか。私たちにとっても今がそのプロセスなにかどうかはわからないが、期待を伴う正しい危機感は持っていたいと思う。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。