ウクライナ、リビウから70キロ、ポーランド国境から15キロのモスティスカ。小学校に設立が進められていた、イスラエルによる野戦病院が、22日、活動を開始した。
報道によると、ベネット首相は、病院の位置をプーチン大統領に告げており、攻撃しないよう、了解を得ているとのことである。
病院は、屋外に10のテントと、学校の教室を改造して病棟にした部屋もある。レントゲンはじめ、さまざまな医療機器の中には、未熟児用保育器もある。
イスラエルが、送った医療機器、装備などは17トンに及んでいた。
病床は150床、ERの他、小児、産婦人科病棟となっており、軍事用ではなく、市民用ということを強調している。子供と婦人科に重点が置かれているのは、国連によると、今後3ヶ月の間に、ウクライナ人女性8万人が、ケアなしに出産を余儀なくされるとの情報があるからであろう。
また野戦病院ではあるが、すすんだ遠隔医療の準備もあり、数千人を診ることが可能だという。スマホを使って、モニタリングもでき、イスラエルのシェバ医療センターとの交流も可能である。
スタッフは100人で、このうち80人は医師と看護師。ウクライナで生まれ育ち、ウクライナ語ができるスタッフもいる。スタッフの中には、ホロコーストの時代にウクライナからイスラエルへ逃れた人の子孫もいるという。
ロシア軍は、ウクライナ西部、リビウ周辺でも攻撃を行っており、野戦病院でも警報がたびたび鳴り響く状態にある。任務は1ヶ月の予定だが、延長の可能性もあるとのこと。
この病院の運営は、保健省、外務省とシェバ医療センターが行っている。650万ドル(約7億8000万円)の出資は、イスラエル政府と、ユダヤ人慈善家、JDC、アメリカのユダヤ人支援団体JOINTである。また、シェバ医療センターは、継続して献金を募っている。
21日、ウクライナに向かうチームを、ベングリオン空港で送り出したのは、ベネット首相、ラピード外相と、保健省関係者であった。ベネット首相は、ウクライナの問題について、イスラエルは、繊細な中、この問題に取り組んできたと述べ、この問題に対するイスラエルの動きに自信をもってほしいと述べた。