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女性のスカーフ問題で警察に殺された?イラン人女性
ロシアだけでなく、イランも、これまでにみられなかったような混乱に陥っている。首都テヘランなどで今月中旬から政府に対するデモが大規模に続いており、8日目になる。今では全国80ヵ所にまで拡大し、デモ隊と治安部隊との衝突で、これまでに、少なくとも50人以上の市民が死亡したと伝えら得ている。
ことのきっかけは、今月13日、マシャ・アミニさん(22)が、イスラム教で女性に定められた頭の覆いに関する法律に違反しているとして、道徳警察に身柄を拘束された。その3日後の16日、アミニさんは死亡した。
警察は突然の心不全だと言ったが、家族によるとアミニさんは健康であったことから、死因は、逮捕の際に、警察がアミニさんの頭を車に叩きつけたことが原因だと考えられる。これを受けて、アミニさんの出身地のクルディスタン州でデモが発生。
女性が大群衆の前でスカーフをはずして、髪を切り、その様子に男性たちも含めた大群衆が大歓声を上げている。この時の警察との衝突で、男性3人が死亡した。
以下は、アマニさんの葬儀から始まった暴動
At Mahsa Amini's funeral in her hometown of Saqqez, Kurdistan province, women take their headscarves off in protest against Iran's forced hijab law amid "death to the dictator" chants.
Mahsa, 22, died in custody after being arrested by morality police.pic.twitter.com/MaqyberjNO
— Shayan Sardarizadeh (@Shayan86) September 17, 2022
一方で、23日からは、黒いヒジャブ姿の女性、数千人が、ライシ大統領の写真を掲げて親ライシ政権のデモを行い、国立のテレビ局がその様子を流すなどして情報戦の様相にもなっている。
アメリカがイラン国内のネット環境解放への措置を発表:経済制裁緩和と引き換えに
この混乱を抑えるため、イラン政府は、暴動のイメージがネットで世界に拡散されないよう、国内からネットへのアクセスに制限をかけている。これを受けて、アメリカは、この制限を解くこととひきかえに、イランからの輸出規制を緩和すると発表した。
これと並行して、最近Twitterを買収し、またそれを売るなどで話題になっているイーロン・マスク氏が、自身の衛星スターリングによる、インターネットのサービスをイランに提供しようとその了承を待っているところである。もしイランが了承するなら、制裁の緩和にむけた努力をするというのが、交換条件である。
なんとも意地の悪いオファーである。経済制裁の解除はイランの悲願だが、それと引き換えにネット環境が解放されれば、政府に不利な情報が出まわる。不満がつもっているイラン市民が今以上に、反政府に動き始める可能性があるわけである。
www.timesofisrael.com/us-moves-to-ease-internet-access-for-protesting-iranians/
イラン:ライシ大統領の反応
イラン政府は、デモは西側の陰謀だと言っている。国連総会でニューヨークに来ているイランのライシ大統領は、CNNのインタビューを受ける予定であった。しかし、インタビューする、クリスチャン・アマンプールさん(イラン出身)が、ヒジャブを被るようにとの要請を断ったところ、ライシ大統領は、インタビューにこなかったとのこと。