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イランに情報を渡していたイスラエル人5人
ちょっと耳を疑うようなことだが、イランに情報を送り、その報酬として金を受け取っていたイスラエル人5人が、シンベト(国内治安組織)に逮捕された。5人は、女性4人、男性1人で、全員イランからの移住者であった。名前は非公開。
5人と関わって情報を得て、報酬を払っていたのは、常にユダヤ人のふりをしていたイラン人、ランボド・ナムダルである。写真は、ナムダルのフェイスブックからのものなので、本物かどうかは不明。
ナムダルが関わっていた5人はいずれも普通の庶民で、イランにもたらされた情報は、どれもただちに治安に関わるようなものではなかった。しかし、4人の女性たちの2人は、息子をイスラエル軍諜報部に配属させようとしていたことから、将来的には危険な話になっていた可能性も否定できない。
シンベトによると、今回、逮捕された5人のうち、2人は夫婦で、妻がナムダルに協力して、テルアビブのイスラエル領事館など戦略的に重要な地点の写真を送っていた。夫はそれに協力していたとのこと。
また、妻は、さまざま場所のセキュリティ情報などもナムダルに送っていた。報酬として数千ドルを受け取っていたもようである。
女性(57)は、国会女性議員と知り合いになり、知り得た情報をナムダルに送った他、息子が諜報部隊に入隊する際に、軍のさまざまな写真を撮って、ナムダルに送た。またイランからの移住者クラブをつくって、情報を送ったり、昨年の総選挙の時の写真などを送って、5000ドルを得ていた。
しかし、上記女性たちは、ヌード写真を送信するよう言われたり、仮想通貨を買うよう指示された時点で、この関係を断っていたとのこと。このほか、ナムダルのためにビジネスを買わされたりした人もいる。
5人は、相手がイラン人であることを知っていたが、金のためにか、こうした行為を行っていたもようである。シンベトは、国民に、イランのこのような誘いに注意を呼びかけている。
しかし、5人は、最終的には、ナムダルの指示に従わなかった部分もあり、さすがに国にとって危なすぎることにまでは至っていなかったので、そこはイスラエル人であったかなと思うところである。
www.timesofisrael.com/shin-bet-arrests-5-jewish-israelis-suspected-of-spying-for-iran/
イランとJCPOA交渉は決裂寸前:ウイーン
2015年のJCPOAとイランとの核兵器開発に関する合意の延長などに関する交渉は、ウイーンでまだ続けられている。しかし、交渉はすすんでおらず、ブリンケン国務長官によると、ここ数週間のうちに、決裂に終わる可能性が出始めている。
決裂した場合は、もはやイランの核兵器保有を避けるためには、軍事攻撃しか選択肢がなくなる。イランもJCPOA諸国もそれは避けたいのだが、今の様子では、決裂の可能性が高くなりつつある。
www.timesofisrael.com/us-only-a-few-weeks-left-to-save-iran-nuclear-deal-were-eyeing-other-options/
アメリカは、2018年にトランプ大統領がこの合意から単独離脱したので、直接的な発言や交渉もできない状況に置かれたままである。バイデン大統領は、今この壁にぶつかっているのは、すべて前トランプ大統領がこの合意から離脱したためだと、非難を出した。
これを今出したということは、いよいよ決裂に向かっているということかもしれない。