トルコを訪問した方は、イスタンブールにあるアヤソフィアを訪れたことがあるだろう。アヤソフィアは、1500年前に、東ローマ帝国、ビザンチン時代に、キリスト教の大聖堂として建てられた。その後、カトリックの聖堂として使われた時代を経て、オスマントルコ時代の1453年にモスクとして使われるようになった。
このため、アヤソフィアの中には、キリスト教と、イスラム教が同居したような内装がみられる。歴史的に非常に重要な建物である。
その後、オスマン帝国が滅亡すると、12年後の1934年、トルコ共和国の初代アタシュルク大統領は、これを、教会でもモスクでもない、博物館というステータスに定めた。トルコ共和国がイスラム教国であると同時に、政治においては世俗路線であったためである。
それから86年経った今、再びトルコのイスラム化をすすめるエルドアン大統領が、アヤソフィアを、博物館というステータスから、モスクに指定すると発表した。今後、アヤソフィアで、イスラム教徒が祈ることになる。かつてのオスマン帝国の栄光を追いかけているエルドアン大統領らしい動きである。
<深い痛みと表現:フランシス教皇>
これを受けて、ジュネーブにある世界教会協議会(正教会、カトリック、アングリカン、プロテスタント)は、エルドアン大統領に、この決断を思いとどまるように要請を出した。
バチカンのフランシス教皇は、日曜のカトリック国際海の日のメッセージの中で、「深い痛みを感じる」と表明し、世界教会協議会とともに、ローマカトリック教会も、これに反対を表明すると述べた。
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