イスラエル軍誤射でパレスチナの2歳児死亡:2023年のパレスチナ人死者115人 2023.6.14

イスラエル軍誤射か:パレスチナ人2歳児死亡

6月1日午後8時ごろ、西岸地区のラマラ北部の入植地、ネヴェ・ツフ(ハラミシュ)でパレスチナ人による銃撃があり、イスラエル軍が反撃したところ、誤って、モハンマド・タミミ君(2)とその父親のハイサムさんが負傷する結果となった。

ハイサムさんは、ラマラの病院へ搬送されたが、息子のモハンマド君は、頭を撃たれての重傷であったため、イスラエルのシェバ医療センターに搬送された。モハンマド君はそれから4日後の5日、死亡した。

イスラエルは、非武装の市民が犠牲になったことを遺憾に思うとして、再発防止に向け、徹底した調査を行うとしている。なお、この時、イスラエル軍が追っていた、ネヴェ・ツフで銃撃したパレスチナ人はまだみつかっていない。

タミミ君葬儀に数百人:イスラエル軍と衝突

タミミ君の葬儀は、翌6日に出身村のネエベ・サラで行われ、数百人が参加した。

この時もイスラエル軍との衝突があり、パレスチナ人が複数、負傷した。イスラエル兵らは、スタンガンや、ゴム銃を使っての攻撃を行なっている。

2023年以来、イスラエル軍との衝突で死亡したパレスチナ人は115人。うち28人は未成年の子供とパレスチナ側は主張している。

www.timesofisrael.com/toddler-mistakenly-shot-by-idf-last-week-succumbs-to-injuries-palestinian-media/

石のひとりごと

2歳児を失った家族の悲しみはいかほどのものかと思う。イスラエル軍への憎しみは避けられなだろう。

パレスチナ問題が、政治の問題にとどまらず、個人的な人間の感情の分野にまで、どんどん染みこんでいく様相にあることが、懸念される。

大きな波の中で生きているパレスチナ人たち、また望んで任務についていたわけではないのに、こんな結果をもたらしてしまったイスラエル兵にとってもまた一生の重荷になるかもしれないと思う。

本当に、エルサレムの平和のために祈れ。・・である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。