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サバイバー1年で1万5553人死亡
イスラエルの中央統計局によると、昨年からの1年で、1万5553人(1日平均42人)のサバイバーが死亡して、今の時点で、イスラエルに生存しているサバイバーは16万1400人となった。この中で1000人以上は100歳以上で、90歳以上は3万1500人。平均年齢は85.5歳。毎年、サバイバーが加速的に減っていっている。
今もいるサバイバーのうち、63%はヨーロッパ出身で、そのうち半数以上にあたる37%は、旧ソ連出身。次に多いのは12%のルーマニア、5%ポーランドなどとなっている。18.5%は、北アフリカのモロッコとアルジェリア。11%はイラク。ナチスはヨーロッパだけでなく、北アフリカから開拓中のイスラエルにまで、手を伸ばしかかっていたのであった。
イスラエル国内で最も多くのサバイバーが在住するのは、ハイファで1万1000人。次がエルサレムで1万人。
www.timesofisrael.com/ahead-of-annual-memorial-day-161400-holocaust-survivors-living-in-israel/
イスラエル政府は、今年もサバイバーへの福祉を強化したが、それでもまだ十分ではない。ホロコーストで家族を失い、今も国の福祉に依存しながら、独居ですごしているサバイバーは、7500人となっているが、実際にはもっと多い可能性が高い。コロナで孤独死したサバイバーは、2021年初頭の時点で900人となっていた。その後は不明。
www.timesofisrael.com/ahead-of-holocaust-remembrance-day-israel-home-to-165000-holocaust-survivors/
在イスラエル日本大使館もジカロン・バサロン
イスラエルでは、いよいよ、生存するサバイバーがいなくなる近未来を想定し、テクノロジーを使って、実物大のサバイバー(本人の映像)に話してもらうシステムを作るなど、さまざまな取り組みが行われている。
そうした中、草の根運動的に始まったのが、居間に家族友人が集まって、サバイバーをまねき、証言を聞くというプログラム、ジカロン・バサロンという取り組みが広がっている。
ベネット首相もこれに参加した他、在イスラエル日本大使館でも今年、これに参加。杉原千畝のビザで神戸でしばらく滞在したバール・ショーさん(94)が証言をされた。