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イスラエル国内300箇所へハッキング
イスラエルとイランのサイバー攻撃の応報が続いているが、21日、イスラエル国内約300のウエブサイトが、ハッキングされ、テルアビブなど複数のイスラエルの都市が爆破されるビデオクリップが流された。
クリップの最後には、ヘブライ語と英語で、「驚きに備えよ。イスラエルの崩壊へのカウントダウンは随分前に始まっている。イスラエルは次の25年以内に滅びる。」と書かれてあった。
www.timesofisrael.com/israeli-websites-hacked-in-cyberattack-be-ready-for-a-big-surprise/
また、リンクが示され、クリックするようにとの表示があったが、イスラエルの国家サイバー担当は、クリックしないよう警告を発した。
ハッカーは、Hackers of Savior と名乗っており、この4月11日から活動しているグループ。トルコ、北アフリカ、ガザとの関係がある組織だが、イランとの明白な関係を示す証拠はない。しかし、イランの港へのサイバー攻撃の直後であることから、イランに関係しているとみられている。
22日は、アル・クッズ・デーで、イランの呼びかけで、全世界のイスラム教徒たちが、イスラエルのエルサレムの支配に反発する日である。
先週、イランの港で発生したサイバー攻撃がイスラエルによるものと考えられていることから、この日に、イランからの反撃がくる可能性が予測されるとして、治安関係筋からは、反撃に備えるよう、広く企業党に指示が出されていた。
今回、被害を受けたのは、ミツペ・ラモン市、ラマット・ハ・シャロン市、安いコーヒーチェーンのCofix, ユナイテッド・ハズアラ(救命救急ボランティア組織)、メレツ党のニツァン・ホロビッツ氏のサイト、右派グループのレガビム、デンマークの電気会社のイスラエル支部などとなっている。
きわめてばらばらにみえるが、これらの会社は、すべてイスラエルのサーバー、uPressを使っていた。uPressは、WordPressのソフトを使っていたが、最新バージョンにアップデートされていなかった会社であった。
300箇所と数は多いが、被害にあったサーバーは1箇所だけであり、大きな被害には至らなかったことから、サイバー攻撃としては小さいものとの判断がなされている。しかし、ハッカーは、そのサイトの写真などにアクセスしたとみられ、注意が呼びかけられている。
イスラエルへの”ファイナル・ソルーション”:イランのハメネイ最高指導者
イランのイスラム最高指導者ハメネイ師は、今週、自らのサイトに、「パレスチナは解放される。ファイナル・ソルーション(最終解決):解放まで抵抗する。」と称するイラストをアップした。
神殿の丘をイスラエルから奪回した様子の絵で、イランのすでに死亡した指導者らの写真、ヒズボラ、ハマス、パレスチナの旗が掲げられている。22日のアル・クッズデーを意識したものとみられる。
「ファイナル・ソルーション」ということばは、かつて、ナチスが、ユダヤ人絶滅計画を立てた時に使っていた言葉である。ポンペオ米国務長官とネタニヤフ首相は、イランが特にこの言葉を使ったことを非難する声明をだした。
www.timesofisrael.com/pompeo-netanyahu-accuse-iran-supreme-leader-of-endorsing-nazi-final-solution/
これに対し、ハメネイ師は、20日、「ユダヤ人すべての絶滅を望んでいるのではない。イランは、イスラエルと戦うすべての国を支持するものである。」と述べた。滅亡させたいのは、ユダヤ人ではなく、イスラエルだということである。
ハメネイ師はツイッターに、「この意味は、パレスチナのイスラム教徒、クリスチャン、ユダヤ人が、今のシオニスト政権、ネタニヤフのような”もの(things)”を排斥せよということである。」と書き込んだ。
www.timesofisrael.com/khamenei-explains-final-solution-poster-i-favor-destroying-israel-not-jews/
石のひとりごと:復讐の復讐の関係
前回報告した通り、イスラエルは、新型コロナの被害、経済危機だけでなく、地震やばったなど、非常に多くの困難に直面している。にもかかわらず、これだけ、イスラエル滅亡に投資するという姿は滑稽にしかみえない。
ハメネイ師は、自国民が、生きるか死ぬかで苦しんでいる中、イスラエル滅亡に投資すると言っているわけである。これはもはや、自国民よりイスラエルを愛しているのかといいたいほどである。
また子供ではないかと思えるようなビデオクリップを出したり、それほど大きくもない攻撃をしかけては、イスラエルもそれほど深刻でない反撃をしながら、深刻な場合は、大きな攻撃も辞さないといったやりとりが続けられている。
この関係は、やはり、神に対峙する勢力といった霊的な背景を考えないと、理解に苦しむのではないだろうか。