エルサレムの林で焼死体となって発見されたムハンマドさん(16)は、解剖の結果、生きたまま焼かれて死亡していたことがわかった。(解剖にはユダヤ人とパレスチナ人の医師が承認として立ち会っている)
さらに金曜、殺害されたムハンマドさんのいとこのタリク・ケダルさん(15才・アメリカ国籍)が、イスラエルの治安部隊二人に殴る蹴るの暴行を受けているところがビデオに撮影され、顔にひどいけがをしたタリク少年の写真とともにメディアに流された。
これについて、イスラエルの警察報道官は、「ビデオは編集されたもので、部分的にとりだしたもの。タリク少年は、投石していたため、逮捕した。」と説明した。しかし、パレスチナ人らの怒りはさらに燃え上がっている。
金曜夜、イスラエル中部のアラブ人町カランソワ付近に迷い込んだユダヤ人の車両2台が暴徒に襲われた。1台は、破壊された上、火をつけられたため、乗っていた人は走って脱出。1台は車で脱出した。
土曜には、カランソワ、ラムレ、北部のウム・エルファハンなど、イスラエル国内のアラブ人地区で、暴動が発生し、治安部隊と激しい衝突となっている。現在上記の町は閉鎖。周辺道路も閉鎖されている。
<入植地住民の不安>
西岸地区の入植地からエルサレム・アッセンブリーに礼拝に来ている姉妹が、以下のような祈りの要請をだした。
入植地住民は、周囲のパレスチナ人からの憎しみのまっただ中にいる。それでもバスの本数が少ないので、彼女自身の子供たちも含めて、人々はヒッチハイクをしなければならないという。これは、現状からすると非常に危険である。
また、家族友人の間でも、今回の一連のことについて意見が別れ、論争になることが多いという。
<祈り・とりなし>
パレスチナ人は、ムハンマドさんを焼き殺したのは極右ユダヤ人だと信じている。「マッツァにパレスチナ人の血を混ぜている。」といった中世以来の中傷も出回っている。あらゆる機会をとらえてユダヤ人への憎しみをかりたてようとしている。
逆に、ユダヤ人の間でも、復讐のためには殺人も認めるとするラビがいる。イスラエル政府が「無言」を続けている今、過激なユダヤ人たちが、相当危険である。双方の動きが押さえられ、憎しみの嵐が沈静化していくよう、主に祈るのみである。