ここ数週間、イスラエルは、事件も少なく平穏といえるかもしれない。しかし、テロがないわけではなく、未然に防がれているということのようである。
エルサレムでは、路面電車付近で、不審人物に気がついた警備員が職務質問したことで、所持していた爆弾が未然に発見され、逮捕された一件が、7月にあった。
昨日は、やはり不審人物に気がついた警備員によって、隠し持っていた大きなナイフが発見され、犯人はその場で逮捕された。
テルアビブでは、オープンマーケットのカルメル・マーケットで、男が人がナイフを振りかざしたため、付近の人々が一斉にパニクになって逃げるという騒ぎがあった。犯人は誰をも傷つけることなくとりおさえられた。精神障害の人物であったとも伝えられている。
西岸地区では、イスラエル軍が、情報に基づいて突入し、武器やテロリストを逮捕するといった作業が連日行われている。また、イスラエル人を殺害したテロ事件の犯人の家が、破壊されたというニュースも続いている。
<刑務所への踏み込み逮捕>
4日、ナフハ刑務所(場所は不明)のハマス房で、刑務所内から暴動の計画があるとの情報により、イスラエルの刑務所指揮下のマサダ部隊が、一斉踏み込みを行い、首謀者らを逮捕した。
踏み込んだ後には、通信用機器などが残されていたという。逮捕されたものたちはじめ、この房にいた者たちは、いくつかの刑務所に分けて再収監された。
パレスチナ自治政府によると、ナフハ刑務所から120人、エシュコル刑務所から135人が移動させられてという。このほとんどはハマスで、これらの囚人は、金曜からハンストを宣言している。
*ハマス房
一度だけ刑務所の取材に行ったことがあるが、ハマスのメンバーは、ハマスだけが入る房に入れられていた。
ハマス房では、たくさんの囚人たちがこちらをにらみつけていたのだが、その目に、ファタハやその他のテロ関係者が入る房とは比べ物にならない殺気を感じたのを今も覚えている。
イスラエルの刑務所では、囚人の自治の制度がある他、看守たちが、囚人たちの話すアラビア語がわからないこともあって、内部で、テロリストらが連絡をとりつつ、テロを計画することも可能なようである。