イスラエルでは長い秋の例祭も終わり、火曜から子供達は学校へ、役所や会社も通常に戻っている。非常にすごしやすい気候の中、木曜、全国的に新年明けてから最初の雨が降った。エルサレムでも夕方一時雷雨となった。
エイラットではいささか雨が降りすぎて道路が冠水。エイラット行きの飛行機はキャンセルになったりした。しかし、土曜日には、晴れ上がって、穏やかな安息日となった。
このように、イスラエル国内はいたって平和にやっているが、先週、南北国境ではそれぞれ、銃撃事件が発生し、南部では15歳ベドウィン少年が死亡した。
また西岸地区でも、走行車への銃撃や、車で兵士らに突っ込むなど、2件のテロ事件が発生したが、深刻な負傷者は出ていない。
<南部シナイ半島との国境で銃撃:15歳少年死亡>
南部シナイ半島とのイスラエルの国境では、25日、防護壁を点検、修理していたニメール・バッセム・アブ・アマールさん(15)が、突然の銃撃を受けて死亡した。
詳細はまだ明らかではないが、シナイ半島にいる過激派とエジプト軍の衝突の流れ弾にあたったのではないかとみられている。
アマールさんは、イスラエル南部に住むベドウィンの少年で、国防省下請けの民間会社に雇われて危険な場所での作業にあたっていた。15歳という未成年が危険地域で、しかも国防省下請けの仕事をしていたことについて、問題になったが、すぐに立ち消えた。
この地域では以前にもシナイ半島からの攻撃で死者が出ているが、こうした危険な場所での仕事をするのは、たいがい、最も貧しいベドウィン系市民たちである。
この問題も、おそらくうやむやのまま、片付けられる可能性が高い。
www.timesofisrael.com/israeli-worker-shot-moderately-injured-near-egypt-border/
<北部レバノン国境で銃撃:兵士1人負傷>
上記事件の翌日、北部レバノンとの国境メトゥラ付近で、警備にあたっていたイスラエル兵に向かって銃撃があり、兵士1人が金属片が手に当たって負傷。これを受けて、兵士らは銃撃し返した。
この付近はレバノンとの国境でも特に弱点とされる地域で、もし第3次レバノン戦争になった場合、ヒズボラがイスラエルに侵入してくるとみられる場所である。
イスラエル軍はヒズボラの侵入に備え、ローシュ・ハニクラからヘルモン山に至る120キロにも及ぶレバノンとの国境に防護壁の建設を予定している。
しかし、Yネットによると、今はガザからテロリストが地下トンネルを使って侵入してくる方が危険性が高いと判断されており、南部地下防護壁が優先され、レバノン国境の防護壁の工事までは、まだ数年はかかるとみられている。
とりあえずは、最も危険とされる30キロ分の防護壁の設置が急がれている他、地雷を埋めて、ヒズボラの侵入を防いでいる。
ヒズボラは、現在、シリアでイランとともにアサド政権の支援に兵を送っているが、対イスラエル戦用の兵力は温存しているとのこと。シリア情勢によっては、いつ何時、イスラエルを巻き込む戦争をしかけてくるかわからず、戦争はもはや時間の問題と言われている。