イスラエル軍は、18才から20代前半と若い兵士たちが大部分をしめる若い軍隊である。その繊細な若者たちが、命の危険と同時に心理的にも非常に厳しい働きを担っている。今週もイスラエル軍兵士たちは、非常に困難な任務に直面した。
<ナクバの日>
15日は、パレスチナ人が、イスラエルの独立を記念して、怒りを覚える日「ナクバ」だった。この日、66秒間のサイレンの後、西岸地区各地、ガザ地区でも、イスラエルに憎しみを燃やすデモが行われた。ラマラでのデモ隊は2000人に上ると報告されている。
このデモにおいて、投石し、タイヤを燃やすパレスチナ人の若者たちとイスラエル軍が衝突し、パレスチナ人2人が死亡した。
<違法入植地を強制撤退>
14日、イスラエル軍は、以前から警告していた通り、西岸地区マアレイ・レハビムとベテル近郊に違法に立てられた”前哨地”(Outpost) を強制撤退させた。その後、イスラエル軍は、建築物をブルドーザーで撤去した。
これらの土地は、法律上、パレスチナ人個人の所有地であるため、イスラエルの最高裁は、撤退撤去を命じていたのである。
当日は、入植者との暴力的な衝突が懸念されていた。しかし、幸い、数名の入植者が屋根の上に上がって抵抗しただけで、大きな衝突もなく、撤退は完了した。
<イスラエル兵のFacebookデモ>
以前、西岸地区で一人で警備にあたっていたイスラエル兵が、パレスチナ人に囲まれて不用意に銃を構えてしまい、それをビデオに撮られて、インターネットに流された。兵士は、この後、処分を受けるという事件があった。
この直後、Facebookでは、この兵士に同情する書き込みに”Likes” で賛同する声が130000(別の報道では69000)。顔を隠した状態で、「自分もきっと同じことをした。」と応援する投稿が相次いだ。
それらの書き込みによると、イスラエル兵たちは、銃を持っていはいるが、実際の使用にはかなりの制限が付けられている。にもかかわらず、時に、非常に危険なところに1人で立たされることがあるという。
パレスチナ人に囲まれて、恐怖心に陥るのは無理もない。しかも、そういう場面には、必ずカメラを抱えた左派や記者たちがいる。
www.youtube.com/watch?v=ouA8Q_qyk2s 見ているだけでストレスを感じるような場面である。
今週、西岸地区で大きな強制撤退が実施されたが、そのあと、フェイスブックで、複数のイスラエル軍兵士らが、顔の前に「同胞の撤退には関わらない」と書いた紙を出して、意思表示する写真などをアップした。中にはエリート部隊の兵士たちもいた。
イスラエル軍は、これらがアップされた数時間後には、だれがアップしたかを特定し、2名が部隊からはずされている。