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新型コロナに対する抗体達成率
イスラエルでは、総人口の半数に迫る428万人が2回のワクチン接種を終えた。一回終えて2回目待ちの人を入れると、総人口の半数以上の520万人が、ワクチン接種を受けたことになる。
さらに感染して回復し、抗体を得たと考えられる人が約82万人。年齢別にすでに抗体を保有したと考えられる人は、50歳以上で90%、40-49歳81%、30-39歳46%、20-29歳69%、16-19歳51%となっている。
単純計算すると、16歳以上の大人のイスラエル人の概ね60%が、一応は、新型コロナに対する抗体を持つと考えられる状況に達したということになる。
この状態で、感染者数は変動があるが、15日は1339人。陽性率は前日の半分にあたる2.9%まで下がっていた。実効再生産率も1を大きく下回る0.69なので、今後感染者は減少すると予測されている。
現時点での有症感染者の総数は2万6000人。このうち、重症者は602人とこれまでの最低を記録した。テルアビブの病院では、コロナ病棟を閉鎖し始めている。ただし、これまでに重症となっていた人々の中から、死者がまだ毎日20人ぐらい出ており、14日から総数6000人を超えた。
総じて、イスラエル政府のウイルス担当ナフマン・アシュ氏は、イスラエルのコロナ情勢はこれまでで最も希望的な状況にあるとの見解を発表した。
また、ワクチン接種を終えた人が持つグリーンパスについて、これまでは、期限6ヶ月としていたところ、延長も検討するとのこと。
規制緩和進む市内の様子
イスラエルでは、感染対策としての行動制限の緩和が進められており、レストラン、ホテルもイスラエル人客による予約でいっぱいになっているという。グリーンパスを持つ人々であれば、室内75%まで入場可能、屋外は100人まで許可となった。では、1万5000人の観客(グリーンパス保持者)でサッカーの試合も行われた。
教育機関についても、14日からは、赤ゾーンとされている地域でも登校が始まっている。
メシアニック教会のエルサレムアッセンブリーでは、6日から、先行登録制で屋内に集まっての礼拝を再開。13日からは、礼拝後のズームによる集会は停止となった。以前のように集まっての礼拝ができるようになったということである。
入国1日3000人:空港で短時間 PCR検査パイロットプログラム開始
国際便については、14日、23日の選挙前に帰国するイスラエル人については、1日に3000人まで、どの国からでも受け入れる措置を開始した。
9日、エルアル航空は、ワクチン接種を受けていない乗客(出国)のPCR検査をわず15-20分で終わらせるシステムのパイロットプログラムを開始した。テストを受けたのは、ニューヨーク行きの便で、主にはワクチン接種を完了している大人に連れられている16歳以下の子供達だったとのこと。
www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-israel-airport-idUSKBN2B02FF
この検査法が確率されたら、海外からの観光客受け入れにも一歩前進ということだろうか。
今後の課題
エルサレム・ポストが、テルアビブ大学で、感染症拡大を統計的に研究しているダン・ヤミン博士の今後の予測として伝えたところによると、今後の課題は次の3点である。
1)変異株の問題
イスラエルの新型コロナは、今は99.5%が、オリジナルの武漢発のウイルスではなく、イギリスなど何らかの変異株ウイルスだという。このため、従来は、人口の60%が抗体を持った段階で、集団免疫が有効になると言われていたところ、今では、80%まで達成する必要があるとみられている。
したがって、ワクチン接種がだいぶ進んだとはいえ、まだ集団免疫の状態には至っていないということである。
ワクチンが、変異株にどう反応するかだが、ファイザーについては、今のところ、イスラエルに多いイギリス型には、効果はあるということが認められている。
2)無症状でウイルスを運搬する可能性
また、ワクチンが新型コロナによる感染と発症を抑えることは明らかになってはいるものの、ワクチンのおかげで、感染したが発症しない無症状の人が、ウイルスを運搬する可能性がなくなるかどうかはまだ不明だという。
例えば、特に、一度コロナに感染して回復した後、ワクチン接種を受けたとする。この人がその後、再び感染した場合、無症状に終わる可能性が高く、気が付かないままウイルスを運ぶ可能性が否定できないということである。
今のところ、ファイザーのワクチンはイギリス型にも有効をされているが、まだ不明点が多く、絶対ではないということも知っておくべきであろう。
3)まだワクチンを受けていない人とワクチンを拒否する人:100万人
イスラエルの人口は、約30%が16歳以下の子供である。この人口層は、ワクチン接種を受けていない。
また、50歳以上は、90%が接種を受けたものの、まだ接種を受けていない人が25万人。16-49歳で接種を受けていない人は、80万人に上っている。したがって、世界最速で接種が進んでいるイスラエルでも、まだワクチン接種を受けていない人が、100万人以上いるということである。
この中には、接種街ではなく、ワクチンを拒否する人もおり、国が接種を強制することは法律上できない。このため、ワクチンを拒否する人については、3日おきぐらいにPCR検査を行うなどの対策が行われている。
ワクチンは黙示録の悪魔の数字にあたる!?
ファイザーのワクチンは、mRNAと呼ばれるいわば、設計図のようなものを体内に打ち込むことになる。また、それを受けなかった人はグリーンパスがもらえず、行動が制限されることになる。
このため、この措置が、聖書の黙示録13章に記されている刻印ではないか、イスラエルは、このワクチンの接種を受けるべきではないのではないかとの問い合わせが、エルサレムにある国際クリスチャン・エンバシーに届いているという。
*黙示録13:17-18
またその刻印、すなわち、あの獣の名、またはその名の数字を持っている者以外は、だれも、買うことも、売ることもできないようにした。ここに知恵がある。思慮ある者はその獣の数字を数えなさい。その数字は人間をさしているからである。その数字は六百六十六である。
このため、エルサレムの国際クリスチャンエンバシーでは、ワクチンに関する声明を出し、この考えは、憶測であるとの見解を出した。それによると、今回のパンデミックが、将来、民主主義が危ぶまれる出来事が発生する可能性があることを示したとしながらも、イスラエルで、ワクチンの接種が強制されているわけではないと説明。また、イスラエルでは、過去にもアフリカへ渡航する人々が黄熱病のワクチン接種を受けた際にイエローパスが発行されていたのであり、今に始まったことではないと説明した。
加えて、未知のことに直面している指導者たちのための取りなしを要請した。
int.icej.org/news/press-statements/icej-statement-israel%E2%80%99s-current-corona-vaccine-policy
なお、この黙示録13章だが、今、社会が、キャッシュレスの時代に変遷しつつあり、カードが、手や額の中に埋め込まれ、それをかざす事で買い物をするという時代に入りつつあることもあげられることがある。こちらは、まさに数字を皮膚に書き込み、それでもって買い物をするということなので、それがない人は確かに買い物もできないということになる。ワクチン以上に、黙示録13章を連想させられるところである。
世界を見ると、聖書のいう終末の様相を彷彿とさせる様子は確かに出始めている。しかし、それにいちいち心を止めて過剰反応しないように注意する必要がある。