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イスラエル外務省の退避支援
イスラエル政府は、ウクライナにいるイスラエル人たちには、帰国か退避を呼びかけていた。しかし、まさかここまでの事態になると思わなかった人が多く、まだ8000人がウクライナ国内にいるとみられている。
領空はすでに、ロシアに制御されているので、民間機は飛べなくなっている。逃げるとすれば、陸路で西へ逃げるしかない。キエフなど各都市から急ぎ避難する車の膨大な渋滞が伝えられている。
イスラエルは、キエフにあった大使館をすでにルビウに移動させ、出国のための領事館活動を行なっている。具体的には、ポーランドのメディか、スロバキアのヴィシェネ・メネスケ、ハンガリーのサボニ、ルーマニアのシレット、モルドバへの国境から隣国へ移動するという手順である。
外務省には、パニックに陥っているイスラエル人からの救助要請の電話がなり続けているとのこと。
www.timesofisrael.com/how-to-get-out-israels-instructions-to-its-citizens-wishing-to-leave-ukraine/
www.timesofisrael.com/save-us-hundreds-of-israelis-stuck-in-ukraine-call-foreign-ministry-hotline/
またウクライナには、ユダヤ教正統派たちの巡礼地ウマンがあるが、そこからの退避も行われている。
キエフのユダヤ人コミュニティ
キエフのハバッド派のラビ・ジョナサン・マルコビッチと妻のインナさんは、キエフに20年以上も在住している。今もキエフに残り、逃げることのできない高齢のユダヤ人や貧しくて逃げることができないユダヤ人のために、シナゴーグを解放している。
このコミュニティでは、約2500人のユダヤ人が登録している。このうち、少なくとも200人は寝たきりの高齢者で、それに近い人も多いという。コミュニティからの食料を配布を受けている人は800人とのこと。この人々はおそらくまだキエフにいると思われる。
ラビ・マルコビッチは、2014年に、ロシアが攻めてきた際、ウクライナ国内では、戦闘とともに、犯罪もはびこり、ひどい治安の悪化があったという。シナゴーグを解放し、ユダヤ人が共に自衛するためだとラビは語っている。
シナゴーグでは、50枚のマットレスで寝られるようにしたり、5-6トンの食料も備蓄しているのだが、それが知られているので、強奪しにくる者がいるかもしれないとのこと。特にラビ・マルコビッチは、ウクライナにある歴史的な反ユダヤ主義暴力を懸念していると語っている。
www.timesofisrael.com/kyiv-rabbi-opens-synagogue-as-a-refuge-no-bomb-shelter-but-we-can-be-together/
オデッサのユダヤ人孤児院
オデッサには、孤児院が3ヶ所に250人がいる。これらを運営しているのもハバッド派で、責任者はラビ・シュロモー・バクシュトさん。オデッサ周辺では、爆撃が続いているので、ラビ・バクシュトさんは、子供たちを非難させず、オデッサにとどまって、なんとか子供たちを守ると話している。
子供たちの中には、爆音で目を覚ます子もいるという。ラビは、「私たちは標的でないといっているから大丈夫」と説明しているとのこと。
イスラエルからの人道支援準備中
ウクライナには、最大20万人のユダヤ人がいるとみられている。戦闘が続き、いつまで続くのか先行きが見えない中、イスラエル政府と、民間のユダヤ人組織、国際クリスチャン・ユダヤ人フェローシップなどが、ユダヤ人の救出と人道支援の準備を始めている。
まずは、ウクライナのユダヤ人が、迅速にイスラエルへ移住できるようにすることである。24日、イスラエルのタマノ・シャタ移住証は、大量移住の準備をしていると発表した。
また、ウクライナからの出国退避を支援するほか、避難者のために、ウクライナ周辺国に、インターネットサイトを設けるなどしている。
超正統派のユナイテッド・ハツザラは、多くの難民が到着するとみられるモルドバに、医療従事者30人のチームを派遣した。この団体はまた、オデッサの孤児たちの救出も計画しているとのこと。
www.timesofisrael.com/israelis-ready-aid-packages-relief-teams-for-ukraine-amid-russian-onslaught/