イスラエルに来たシリアの負傷者100人目 2013.6.27

人権保護団体によると、シリア内戦による死者はついに10万人を超えた。これまでに、イスラエルで治療を受けたシリア人負傷者の数も、26日で100人に達した。

このうちイスラエルの病院に収容して治療したのは70人。治療のかいなく死亡したのは2人。治療が終わった負傷者は、すみやかにシリアへ戻されている。

イスラエルへ来る負傷者は、自分で越境して助けを求めるというのではなく、国境からイスラエル軍にエスコートされてきている人たちである。時にシリア人医師からの依頼で国境で受け入れとなっている。

イスラエルでは、シリア人負傷者が一気にイスラエルへ流れ込んでくることのないよう、受け入れた負傷者には、治療に関わる質問しかしないようにし、個人情報がいっさい外へ漏れないように注意しているという。

<若年傾向にあるシリア人負傷者>

イスラエルは、負傷者が民間人でも兵士でもだれでも分け隔てなく治療している。時にはポケットに手榴弾を持っている人もあった。 医療関係者によると、イスラエルで治療を受けるシリア人は、最初は20-30代だったのが最近は10代、またそれ以下の子供たちになってきているという。

26日にイスラエルへ到着し、100人目となったのは、5才と9才の少年たちだった。5才の少年は、爆発で左目を失い、右目も失いかけている。

9才の少年は、全身に爆発物による金属片を受け、一部は化膿。あごと四肢の骨が折れて重傷である。少年たちは父親がイスラエルに連れてきたのだが、麻酔もなく、何日もひどい痛みに苦しんでいたことだろう。

ナハリヤの病院でも12才の少女が全身の骨折ですでに7回も手術を受けている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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