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イスラエルでの食料配布といえば、日本からは、BFPJapanを通しての支援活動が活発である。エルサレムでは、BFPの他、海外からのクリスチャン系団体、メシアニック・ジューの団体、ユダヤ教団体、国や市の慈善事業団体が多数存在する。
新年前となり、それらの団体がいっせいに食料やクポニム(スーパーで買い物をするための金券)の配布を始めているが、今年は食料を受け取る人の数が20%程度平均で増えているという。
日本でもワーキングプアという言葉が一時話題となったが、イスラエルでもワーキングプアが増えている。まじめに働いているのに新年の食卓を準備できず、チャリティの食料配布に並ぶ人が増えているのである。
ある男性は、月5500シェケル(16万5000円)の給料。共働きの妻は、月4000シェケル(12万円)。しかし、家賃が月4000シェケル(12万円)で、子供の幼稚園が、補償がついても月2000シェケル(6万円)だという。交通費、電気代などを差し引くと、家族の食費が出ないということになる。
この男性はもう一つ仕事を持っているが、子供を迎えにいくなど制限があるため、たいした収入にはならないという。今年はじめて食料配布を受けに来たが、「まさか自分がここへ来るとは思わなかった。」と語っている。
またある障害児を持つ女性の夫は、整備士だが、月4000シェケル(12万円)の給料。子供の障害手当が2500シェケル(8万円)あるが、これでは家族は食べて行けない。
これは家賃をはじめ、消費税が上がり、物価が上がる一方ということに加えて、社会福祉が削減される一方であるということ。また、ガザとの戦争で観光業などビジネスが大きな影響を受けたことも考えられる。
来年度の予算を作成するラピード財務相は、ネタニヤフ首相と相当もめたようだが、防衛費を増やすために、社会福祉などが大幅カットされ、若い夫婦が家を買う場合に、消費税を0にするという公約も、反故になりそうな見通しである。
<単身移住兵士たちにご褒美>
イスラエル軍には、ローン・ソルジャーがたくさんいる。ローン・ソルジャーとは、家族から離れて単身でイスラエルへ移住し、そのままイスラエル軍に従軍している兵士たちのこと。彼らは貧しく、新年になっても、家族に会いに行く事はできない。
そこで、新年祭を前に、今回のガザでの作戦で活躍したローン・ソルジャーたちに、エルアル航空とイスラエルのホテルが協力して、国にいる家族との再会というご褒美を提供している。
空港では、兵士たちがエルアル機で到着する両親や家族たちと再会する感動の場面が繰り広げられている。