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人質家族の60キロマーチ:賛同者加わって3万人
先週木曜にテルアビブからエルサレムに向けて、60キロをマーチした人質家族たちは、土曜午後、首相府前に到着した。人質解放を最優先するよう訴える家族と、それに賛同する人々が加わって、一行は3万人ほどにまで膨れ上がっていた。
ハマスに捉えられている人質240人については、今の所なんの情報もない。家族たちは、政府が人質を取り返すために十分なことをしていない。人質の解放なしに勝利はないと訴えている。またネタニヤフ首相は、首相でいるべきでないと訴える人もいる。
ネタニヤフ首相と人質家族との面談
ネタニヤフ首相は、テルアビブのIDF軍本部で20日夕方、戦争が始まって以来、初めて、人質家族と面会した。しかし、面談にあつまった107人は当初、全員会場に入れないといった混乱の事態にもなり、外で1時間以上、待たされた人もいた。
面談は3時間。ネタニヤフ首相は、ハマスを殲滅することと、人質解放は、同等に重要だと語ったことに家族たちは立腹していた。ハマス殲滅には時間がかかると考えられるため、それまで人質解放がお預けになるというように聞こえたからである。
ネタニヤフ首相は、今の戦闘の様子を、可能な限り家族たちに伝え、人質解放へのコミットを強調したとのこと。
ハマスのイシュマエル・ハニエが人質交渉“停戦”近いと発表:バイデン大統領も
アメリカは、カタールとともに、人質解放にむけたハマスとの交渉を続けている。これまで何度か、一部の人質を解放できるかといったニュースが流れたが、イスラエル側はこれをずっと否定してきた。
こうした中、20日、カタールが、ハマスが、4―5日の停戦の間に、人質50人とイスラエルに収監されているパレスチナ人150人の交換に合意するとハマスが言っていると発表した。イスラエルは停戦が、交渉の中に含まれていることは否定した。
その後も、カタールでは、交渉が続けられていたが、20日夜、ICRC(赤十字国際委員会)のスポリジャリック委員長が、カタールで、ハマス政治部門代表のイシュマエル・ハニエと会談。合意が成立次第、赤十字が人質のリリースを請け負う準備があると発表した。バイデン大統領も、人質解放が近いと思うと表明した。
その後、ハニエは、数時間以内に“停戦”になると発表している。これに対するイスラエルからの返答はない。
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石のひとりごと:はんぱない政府のジレンマ
ちょうど、イスラエルがいよいよシファ病院などへ踏み込む直前であることから、ハマスがまずいと思って、停戦にむけた動きにでているのではないかとイスラエルは見ているようである。
しかし、人質解放への国内からの圧力も相当なので、もしこのオファーを断った後で、人質に死者が出ると国民は政府を理解できるだろうか。とはいえ、今この瞬間に、停戦となれば、ガザ北部ですすめてきた作戦に、大きすぎる打撃となってしまう。
政府は今非常に大きなジレンマに立たされている。