4日深夜、シリア領内の武器庫とみられる建物が空爆されたが、続いて5日朝(日本時間午後)、シリアの首都ダマスカス郊外の軍事研究所周辺が空爆された。かなり大きな爆発で夜空に炎が燃え広がる様子が報道されている。
昨日4日の空爆については、イラン製の長距離弾道ミサイルが、レバノンのヒズボラへ運搬されるところだったため、攻撃したとイスラエルは発表している。今回も爆破されたのは、イラン製の高度なミサイルだったとイスラエル政府筋は語っている。
攻撃の地点は一月と同じジャムラヤで、イランの高度なミサイルなどの武器がヒズボラに搬入される拠点だとみられる。ヒズボラは、現在、ミサイルなどの武器をできるだけ集めようとしており、将来のイスラエルとの戦争に備えていると考えられている。
イスラエルでは昨日から、ヒズボラの反撃に備えて、ハイファ、ツファットなど北部都市にアイアンドーム(迎撃ミサイル)を配備している。
イランはイスラエルのシリア領内攻撃に強い批判を述べたが、反撃するといったコメントはなかった。
<イスラエルには自衛の権利がある-オバマ大統領>
オバマ大統領は、「イスラエルはシリアにもレバノンにも非常に近い。高度な武器がヒズボラの手にわたることのをイスラエルが防ぐのは、正当防衛にあたる。アメリカはイスラエルと密接に連絡をとりあっている。」と語った。
*シリアで虐殺行為続く
イスラエルの空爆報道の陰で、シリアの地中海沿岸、バニアスなど二つの村で、住民50-60人が残虐に虐殺されているのが発見された。子供たちを含む多くの遺体がころがり、手足の切断されたものもあるとという。
地域は親アサド政権派のアラウィー派の住む地方で、バニアスはその中に点在するスンニ派イスラムの村である。
さらなる虐殺を恐れて、バニヤス地方に住む数千人のスンニ派住民が列をなして歩いて逃亡の途についているもよう。