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イスラム教イマムも犠牲に
アラブ人社会の中でのアラブ人同士の殺人事件が、恐ろしいスピードで続いている。今年に入ってから殺害されたアラブ人は、166人。犠牲者の数は、歴代最大で、昨年の同時期の2倍位以上である。
最近のケースでは、8月31日、北部で殺されたヌル・リヤーンさん(40)は、これまでからもDVで問題となっている中、2人の自分の息子(18歳、20歳)を含む4人の男に射殺された。4人は逮捕された。
www.timesofisrael.com/police-arrest-two-sons-of-woman-shot-dead-in-haifa-apartment/
8月31日には、クファル・カナ(キリスト教では、イエスが水を葡萄酒に変えたことで有名)では、別々の事件で、2人(13歳、33歳)が射殺され、その2日後の9月2日、イスラム教イマム(司祭)のシーカー・サミ・アベッド・アル・ラティフさん(60)が射殺された。
アル・ラティフさんは、町の紛争を解決したとして知られていたという。
アラブ系ビジネスが4日全国ストへ:政府に警備不足訴え
イマムのアル・ラティフさんの葬儀は、クファル・カナで3日、数百人が参列して行われた。この時、政府の無関心と、警察の不備を訴え、国道65号線を封鎖する形で、祈りが捧げられた。しかし、まもなく解散し、大きな問題にはならなかった。
この時、アラブ人社会の指導者たちは、5日(火)、地方自治体、ビジネス、教育機関も一部午前中を除いて、ストに入ると発表した。
石のひとりごと
今年に入ってからだけで、166人もアラブ人が殺された。犯罪組織の急成長と、武器の拡散が原因とされる。そうなったのは、イスラエルの警察が、アラブ人同士の犯罪への関心や、解決への努力が不足していたからだとアラブ人たちは訴えている。
実際、ユダヤ人地域で、これほど連続する犯罪殺人が続いたとすれば、ここまでの数の命が失われるまで、放置することは絶対にないということは、想像に難くない。そこに人種差別がないとは言い消えれないだろう。
しかし、いかんせん、これが今の現状である。とするなら、「イスラエルはユダヤ人の国」と主張する右派政権にとっては、エリトリア人暴動問題と同様、やっぱり、アラブ人たちには出て行ってもらった方がいいという、口にはしないまでも、そういう考えにつながっていく様相であるといえなくもない。
まさか、政府がこれらを演出しているとは言わないが、建国75年の今、このタイミング的に、時代とともに、イスラエルの変化の時期にあるのか、何か考えさせられるところである