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アメリカ大統領選挙が、11月3日にせまってきた。支持率は、最新のデータで、左派・民主党バイデン候補が50%、右派・共和党トランプ大統領が46%と、バイデン候補の方が上をいっているものの、4%の差は非常の小さいといえる。
トランプ大統領には、サイレント支持者があり、前回も、あらゆる予想を覆して、トランプ大統領が選ばれたという経過があるせいか、支持率の数字をそのまま受けとって予想するエキスパートはいないようである。
アメリカの大統領がどういう人物になるかで、世界は大きく変わってくる。日本のニュースでも連日報じられているが、ここでも一応、共和党、民主党、それぞれの動き、主張をまとめる。
<共和党(右派):トランプ大統領(74)と、ペンス副大統領(61):アメリカ・ファースト>
24−27日、トランプ大統領陣営の党大会が、ノースカロライナ州で開催されている。トランプ大統領は、異例にも初日から登壇している。2日目には、メラニア夫人が、ホワイトハウスから応援し、公的な場所であるホワイトハウスを党大会に使うのは違法ではないかと民主党は訴えている。
また、エルサレムからスーダン、バハレーンと中東を歴訪しているポンペオ米国務長官は、25日、エルサレムから、大統領選挙前の共和党大会でのスピーチに及んだ。
これについても、民主党から、公的立場での仕事を利用して、所属政党の宣伝をすることは、法律に違反するのではないかとの指摘した。しかし、ポンペオ国務長官は、公的立場ではなく、個人の立場でスピーチするので、違法には当たらないと反論した。
国務長官の約4分のスピーチには特に新しいことはなく、トランプ大統領が、ロシア、中国、イランとの外交の中で、アメリカ・ファーストを実現したと強調した。
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) August 26, 2020
新型コロナ対策については失敗との分析がなされる一方で、中絶反対、同性愛結婚みとめずほか、エルサレムをイスラエルの首都としてアメリカ大使館をエルサレムに移動させるなど親イスラエルの立場なので、福音派キリスト教徒の支持率は依然高いとみられる。
国政
①300兆円過去最大の経済対策(国民1人に13万円支給など)、公共事業への投資、中間層への減税など
②経済活動再開急ぐ
③オバマケア撤廃めざす(政府の責任を減らし、同時に税金も減らすという小さい政府の考え方)
外交
①中国との対決姿勢強化
②イランへの再制裁への努力
④ロシアとは対話めざす
環境・移民
①パリ協定から離脱
②移民・入国審査の厳格化
③銃規制強化には慎重
<民主党(左派):バイデン大統領候補(77)とカマラ・ハリス副大統領候補(55):国際社会でのアメリカの指導力を取り戻す>
先週17日から20日まで、民主党全国大会が、ウイスコンシン州ミルウォーキーで開催された。
バイデン氏は自身を「傷を癒す者」と自称しているように、打倒トランプを掲げていることを理由とする支持者を見ると6割と高い。しかし、独自の政策に置いての支持率は、4割に満たない。
このバイデン氏に大きな追い風となったのが、副大統領候補のカマラ・ハリス氏である、バイデン氏は77歳と高齢だ。もし万が一健康上の問題などが発生した場合、このカマラ氏が大統領代理になる。次期大統領選挙に候補になりうる若手で、市民たちの期待も大きい。ハリス氏の副大統領使命で、民主党は支持率を上げたとみられる。
国政
①民主党の大きな政府らしく、コロナで影響を受けた労働者や、中小企業を保護する
②コロナ拡大がまだ続いているので、経済活動の再開は、慎重な立場
③オバマケア支持
外交
①中国:単独の対立ではなく、同盟国と連携しての対抗
②イラン:イランが、JCPOA合意を守るなら、アメリカもこの合意に復帰する
③ロシア:核軍縮条約の延長をめざす
環境・移民
①パリ協定に戻る・温室ガス排出量を実質ゼロをめざす
②適切な入国管理下での移民受け入れ、国内不法移民者1100万人の市民権取得に道筋
③銃規制推進
www3.nhk.or.jp/news/special/presidential-election_2020/basic/issue-and-point/issue-and-point_11.html
<大統領選挙までの今後の流れ>
9月29日にインディアナ州で、10月7日にユタ州で、テレビ討論会が行われる。さらに10月15日にはミシガン州で、22日にはテネシー州で、最終の大統領候補討論会が行われる。
11月3日が投票で、即日開票され、大統領が決まる。次期政権発足は2021年1月20日となっている。
<イスラエルとしては・・?>
トランプ大統領は、イスラエルの念願でもあったアメリカ大使館をエルサレム移動を実現した大統領である。アメリカは、イランへの制裁も復活させようと努力している。
また今は、UAEを皮切りに、イスラエルと湾岸諸国、北アフリカとの国交樹立をすすめいるのもトランプ大統領である。ただし、これについては、いつ敵になってしまうかもしれないアラブ諸国に、F35ステルス戦闘機が売りさばかれるという危険なオマケがついていた。イスラエル国内では、政府と軍の間で物議が続いている。
いろいろ課題はあるが、ネタニヤフ首相は、トランプ大統領に全面的に乗っかる形で外交政策を進めているというのが現状である。