12月19日(金)、アメリカ軍とヨルダン軍が、シリア中部パルミラの北に広がる山岳地帯にいるISIS(イスラム国)の武器庫や拠点など70ヶ所への大規模な空爆を約5時間、実施した。
地上軍による攻撃は含まれておらず、戦闘機、ヘリコプター、ドローン攻撃を含む空爆であった。これにより、ISIS関係者5人が死亡したとみられている。
攻撃の理由として、アメリカは、12月13日に、シリア中部に駐留するアメリカ兵2人と、民間人1(アメリカ人通訳)が死亡したことへの報復だとしている。
アメリカは、ISIS対策として、今もシリアに数百人規模の軍を駐留させている。その中で、ISISが、復興の動きに出ているという。
ヘグセス米国務長官は、今回の攻撃は、ISISの武器や拠点を排除することが目的であるとともに、もしアメリカ人に危害を及ぼすことがあれば、追加措置を講じると警告する声明を出した。
ISISの復興は、イスラエルにとっては、アメリカ以上に深刻な問題である。国境を接するシリア南部では、イスラエル軍が時々シリア内に入って、危険因子の排除を行なっている。先月には、シリア南部での作戦で、イスラエル兵6人が負傷(3人が重傷)を負っていた。
こうした中、アメリカとヨルダンが、シリア中部への攻撃を行った直後、イスラエル軍も、シリア南部への急襲を行い、ISISの武器を押収したほか、司令官を逮捕したと発表した。
www.timesofisrael.com/us-launches-operation-against-isis-in-syria-after-deadly-attack-on-americans/
www.timesofisrael.com/idf-says-it-nabbed-suspected-isis-jihadist-in-southern-syria-operation/
ただし、アメリカとイスラエルが協力しているというわけではない。今回、シドニーでユダヤ人への銃撃テロを行ったテロリスト父息子はISIS関連だったが、それへの対処というわけでもない。

トランプ大統領は、ISISは攻撃するが、今の新しいシャラア政権は支持する立場で、新政権になってからシリアへの経済制裁を大きく緩和する方針をとっている。
ネタニヤフ首相は、トランプ大統領に、シリアへの制裁の一部継続を要請したが、トランプ大統領はこれを拒否したとイスラエルの国営放送が報じている。
