この情報はまだ決定打ではない書き方で報じられているニュースである。カタールは、延々と結果が出ないハマスとイスラエルの仲介者という役割から降りる動きにある。
これに伴い、首都ドーハにあるハマスのオフィスを閉鎖して、ハマス幹部らを排斥する動きもある。いずれもまだ決定ではないが、カタールは否定もしていないという状況である。
Times of Israelによると、2週間前にアメリカが、カタールにハマスを追い出すよう要請。カタール政府はこれに同意し、10月末に、ハマスにすでに通達したとのこと。これが圧力になり、ハマスが、アメリカの政権交代の前に、人質を出すことが期待されているのではないかと推測されている。
いわば、交渉による解決では、らちがあかないので、政治的圧力をかけるということである。
これに先立ち、ガラント前防衛相が、人質家族に対し、交渉での解決は見えないと伝えていたことも、カタールの動きと重なるところである。
ドーハに住んでいたハマスの最高幹部は、8月末にテヘランで死亡したイシュマエル・ハニエであった。ハニエが不在になったあと、ハマス幹部らは、トルコへ移動するのではとみられていた。
しかし、ハマスはテロ組織とアメリカも認定していることから、ハマスオフィス受け入れることは、トルコにとって、好ましい状況ではない。このためハマス幹部たちはまだドーハに留まっていた。
しかし、今カタールが、ハマス幹部らを追放する動きにある。イスラエルは、トランプ氏が次期大統領になったことが、カタールの背中を押していると見ている。トランプ氏は、ハマスがまだドーハにいることを支持しないと予想されるからである。
もし、カタールが本当にドーハのハマスオフィスを閉鎖した場合、追放の対象となるハマス幹部は、まずハリード・マシャアル(資産30-50億ドル)。
シンワルの元副官ハリル・アル・ハイヤ、西岸地区ハマス副官ザヘル・ジャバリン、ハマス外交政策副局長でハニエの顧問だったガジ・ハマド、ハマス副政治局長ムーサ・アブ・マルズークなどとなっている。
こうした動きに対し、ハマスは、交渉に大きな影響を及ぼすとして、反発している。