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やはり、イスラエルという国は侮れない。ついに、イスラエルの特殊部隊が、生きている人質男性2人の奪還に成功した。
これにより、事態は急展開。国際社会からは、ハマスとの交渉に応じるよう、また、超密集地帯になっているラファへの攻撃はやめるべきだとの強圧が掛かっていたが、ネタニヤフ首相は、これまでの方針の通り、戦闘を続けてハマス打倒を完了し、すべての人質を奪還すると勢いづいている。
アメリカ含む世界が、イスラエルのラファ突入に危機感沸騰
ハマスとの戦闘が始まって5カ月目に入った。人質の生存が大きく危ぶまれるようになり、国内では、軍事力ではなく、交渉に応じて、確実に安全に人質を全員奪還すべきと訴えるデモが発生する事態になっていた。
しかし、イスラエル軍のハレヴィ参謀総長とネタニヤフ首相も、ハンユニスでの前進が予想以上であり、勝利はそう遠くないと主張。ハマスが出してきた交渉は拒否し、これまで通り、軍事的にハマスを殲滅すると同時に、人質も全員取り戻すという方針は変えないと発表していた。
イスラエル軍は、先週末からハンユニスからさらに南のラファでの攻撃を開始し始めていた。しかし、ラファは、ガザ避難民120万人で大密集地帯になっている。このため、アメリカを含む世界からは、イスラエルへの批判が沸騰する状況になっていた。
特にエジプトは、難民がラファからエジプトへ流れ込んで来ることを極端に恐れており、もしそうなったら、今のハマスとの交渉は中止し、イスラエルとの和平条約も終わりにするとまで言い、国境に戦車隊を駐留させるようになっていた。
昨日の段階で、バイデン大統領は、ネタニヤフ首相に、「確実に民間人を犠牲にしない計画ができるまでは、ラファに踏み込むべきでない」と警告した。
勝利は手が届く範囲にある:ネタニヤフ首相が世界へ発信
アメリカと世界からの批判を浴びる中、ネタニヤフ首相は、「ハマス戦闘員75%を打倒した。24人いたら18人だ。イスラエルの勝利は目の前だ。今、残りの6人をそのままにするつもりはない。
考えてもらいたい。今やめるということは、ISを75%打倒した段階で、残りの25%に小さな領地を与えて温存させるようなものだ。ISは間違いなく、力を盛り返すだろう。ハマスも同じだ。打倒しなければ、また盛り返してくる。ハマスがいる限り、中東に平和はない」と強調した。
一方で、ネタニヤフ首相はバイデン大統領の民間人を巻き込むことへの懸念には同意するとし、民間人が安全に避難できるルートを用意すると言っていた。
イスラエル本気の救出劇:人質2人奪還成功
こうした中、その夜ともいえる本日12日深夜1時から、空軍がラファへの空爆を行う中、イスラエルの特殊部隊(警察の精鋭対テロ部隊のヤマム隊とシンベト国内諜報部隊、イスラエル軍混合による精鋭部隊)がラファの中心まで侵攻。
1時49分にアパートの屋根に特殊部隊が降り立って、2階部分での複雑な作戦を開始。警護していた武装ハマス3人を殺害し、そこにいた人質男性2人を奪還した。兵士たちは思わず人質を抱きしめたという。
周辺アパートにもハマスが潜んでいたため、空軍と海軍が、激しく攻撃して火災になる中、人質2人は、車で移動し、1時間後には、ヘリコプターで、イスラエル国内ラマットガンのシバ医療センターに保護された。
www.jpost.com/israel-hamas-war/article-786434
作戦は、非常に難しい、複雑なもので、実際に突入する特殊部隊を、シンベト諜報機関の一室で、陸海空イスラエル軍参謀総長、警察長官、ネタニヤフ首相、ガラント防衛相など勢揃いして、見守ったという。まさに本気の戦いであったようである。
ガザ保健省(ハマス)によると、一連の激戦の中、67人が死亡。イスラエル軍は兵士1人が軽傷を負ったのみであった。
www.timesofisrael.com/idf-rescues-2-hostages-from-south-gazas-rafah-in-daring-nighttime-operation/
救出された男性2人:一緒に拉致された親族5人が再会
救出されたのは、男性2人で、フェルナンド・シモン・マルマンさん(61)とノルベルト・ルイス・ハルさん(70)2人とも健康状況は良好とのこと。
フェルナンドさんとルイスさんは親戚で、10月7日のハマス侵攻の際、2人とその3人の親族5人が共に、キブツ・ニール・イツハクから拉致された。
昨年11月に、ルイスさんの妻でフェルナンドさんの妹であるクララさん(63)と、その妹ガブリエラさん(59)とその娘ミアさん(17)の3人は、釈放されていた。このため、今回の救出で、家族5人がすべて帰国できたことになる。
www.ynetnews.com/article/sk2brepia
石のひとりごと
イスラエルのニュースは、こぞって、「本当にGood Morning!」と言いながらこのニュースを伝えていた。まだ詳細はこれから出てくるものと思われるが、まずは、ネタニヤフ首相、そして、気落ちしていたイスラエル人に大きな希望をもたらしたことと思う。
これで世界もイスラエルがやろうとしていることを少しでも理解し、流れが変わればと願う。
もしあなたが苦難の日に気落ちしたら、あなたの力は弱い。死に渡されるために捕らえられた者を救い出し、殺されようとする者を救い出せ。
(箴言24:10-11)