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イスラエルでは、食料品店以外のビジネスは原則閉鎖、自宅からの外出1キロまでとのロックダウンが始まってから2週間が過ぎた。これにより、新規感染者は減少に転じ、この土曜日には、887人と、桁数が変わるまでに減少した。
週末ということもあるが、検査数が1万3387人と少なく、陽性率は7.3%にまで下がった。昨日朝の時点での感染者総数は、29万人で、現在、陽性が確認されている人は6万2133人。重症者は825人。このうち214人が人工呼吸器依存である。死者は、相変わらず多く、日曜朝の時点で、計1956人が死亡した。
www.timesofisrael.com/positivity-rate-of-virus-testing-drops-to-lowest-in-a-month/
兄弟部族作戦:新型コロナ重症者対策にイスラエル軍医療部隊
重症者がまだ減少に転じていないことから、ハイファのランバンホスピタルでは、イスラエル軍医療スタッフ100人が、地下駐車場病棟に、2つの病棟を開設。12日から患者を受け入れる。イスラエル軍では、2週間前からスタッフの訓練を開始していたのであった。
ランバンホスピタルのハルバータル院長は、「こんなことになるはずではなかった。マスクをつけ、ソーシャルディスタンスを守り、それぞれが手洗いを徹底していれば、十分防げたはずだった。」と語った。
www.timesofisrael.com/idf-opens-two-coronavirus-wards-in-haifas-rambam-hospital/
制限解除に向けた政府の動き
第一波の際、感染者が落ち着いたところで、早急に国を解放しすぎたことで第二波を誘発させてしまった苦い経験から、ガムズ教授は、例祭は終わってもまだ今月いっぱい、学校の再開はないとの見通しと言っている。
また、感染者数の減少については、懐疑的な学者も少なくない。例祭中であったことと、超正統派たちの中に、検査に行かない人が出始めていることが疑われるからである。
また、超正統派の中には、感染が拡大していると非難されることを防ぐため、疑わしい症状があってもあえて検査に行かず、家庭用酸素吸入器を使って、家にこもって独自に治療する動きが報告されている。
超正統派の多くは、国の方針に従ってはいるのだが、様々な宗派があり、「国の法律より神の律法」を重視し、独立した生活をすることが犯罪行為ではないだろうと主張している。
www.timesofisrael.com/secret-haredi-program-treating-thousands-of-covid-patients-at-home-report/
こうなると、実際のところ、感染がどの程度になっているかは、わかりにくくなっている可能性がある。
しかし、いずれにしても、経済だけでなく社会を崩壊させないためにも、解除は検討しなければならない。政府は13日に閣議を開き、今後の制限解除をすすめていく方針である。
ただし、ブネイ・ブラック、ラムレ、レホボト、アシュドド、ハデラ他、エルサレムの複数地区、ベイトシェメシュの一部など14地域は、赤警戒地域として、まだしばらくは、封鎖措置が続行される。
www.timesofisrael.com/positivity-rate-of-virus-testing-drops-to-lowest-in-a-month/
保健相の8段階プラン
保健省が計画しているのは、8段階プランである。2週間ごとに、状況に応じて徐々に解除をすすめ、順調に感染者数が下がって、計画通りに解除をすすめることができれば、2月末には、通常に戻っているという案である。
しかし、計画通りに進めるためには、国民が一丸となって感染予防を継続しなければならない。ロックダウンとなっていたこの週末だけで、罰金つきの違反切符を切られた人は7500人に上っていた。国民がどこまで真剣に取り組むかは未知である。
エデルステイン保健相は、いらついた様子で、「これは人の命に関わることである。人をみないで、自分はどうなのか。どうするべきなのかを考えてもらいたい。」と要請するビデオを流している。
石のひとりごと
防衛には、絶対の自信を持っているイスラエルが、新型コロナには、手も足も出ない様子である。諜報活動ができず、未来を予測した動きができないからである。しかし、いよいよイスラエル軍医療部隊までが出動することとなった。
すでに2000人近くの命を奪われ、経済も崩壊寸前にまで至ったことは、イスラエルにとっては、受け入れ難い敗北であろう。この問題はまだ終わってない。イスラエルは、これまで経験したことのない戦争を戦っている。