イスラエルでは、ここ数日、熱波が襲来し、エルサレムでも37度。南部やヨルダン渓谷、アラバ地域、ガリラヤ湖周辺などの低地では40度を超える暑さとなっている。相当暑いのだが、人々はテルアビブなどのビーチに押し寄せている。
乾燥と熱気で、エルサレム周辺で自然発火(一部は放火も疑い)とみられる発火で、緑地などの火事が頻発した。幸い、火はすぐに消し止められて、大きな被害にはなっていない。
テロは、エルサレム近辺で相変わらずぽつぽつと続いているが、死者を出すまでのテロは発生していない。
これまでに2件の死者を出すテロを経験したエルサレム南部アルモン・ハナチーブだが、先週、80歳代の女性たちが、旧市街の展望付近を散歩していたところ、若いパレスチナ人2人に襲われ、負傷した。
一人は重傷だったが、その後ニュースがないところを見ると回復に向っていると思われる。
昨日もエルサレム市内で、正統派男性がナイフで襲われたが軽傷だった。こうした様子だが、エルサレムもイスラエル全体も、特に重大なニュースはなく、おおむね静かな日常を送っている。
<建国記念日>
このような雰囲気の中、先週12日、イスラエルは、戦没者記念日、続いて、建国68周年を迎えた。様々な国家イベントや、右派のパレードも行われたが、テロが発生することもなく、平和に終わった。
一方、イスラエルの建国記念にあわせて、パレスチナ人は「ナクバの日」、”国を奪われた”ことを記念するイベントを行った。
ベツレヘムでは、サイレンでの黙祷の後、難民となって出て行く人々の扮装をした人々のパレードや、「帰還」するための機関車(作り物)が町をパレードした。
この日、西岸地区各地でイスラエル軍との衝突があったが、大事にはいたらなかった。
www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Apathy-resignation-mark-Nakba-Day-in-Bethlehem-454072
これに対し、イスラエルでは、テルアビブ大学において学生たちが、「ナクバは、政治的な嘘だ。」とするデモを行った。
www.israelnationalnews.com/More/VideoDay.aspx/?2015311#.VzsdMqUWnA8
<テロ被害者家族を覚えて>
周囲が平和になる中で大きな苦しみを抱えている人々がいる。テロで愛する家族を失った人々だ。今年は特に戦没者記念日に最近のテロで家族を失った人々の今がテレビで流されていた。
この1月、西岸地区オテニエルの自宅で殺害されたメイール・ダフナさん(39)は、6人の子供たち(2人は養子)の明るく元気なお母さんだった。それから約5ヶ月、ダフナさんの夫ナタンさんは、今も毎朝起きるのがつらいと語っている。
生きることがつらく、それでも毎朝子供たちとともに、必死に「生きる事を選んでいる」という厳しい心境を語った。
また長女のラナナさん(15)は、「犠牲者家族は、暗闇に支配されている。朝起きると、黒い雲があって、それとともに学校や職場に行っている。つねにある痛みを表現するのは難しい。」と語っている。
しかし、次のようにも語った。「イスラエルの人々の支えが、暖かく感じます。何があっても、たとえ弱さがあっても最後には勝つという思いが私たちを一つにしています。」
イスラエルの社会はどんどん変化し、前に進む。しかし、愛する家族を失った人々の時計はそこで止まっている。この人々を覚えてとりなしを。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/212090#.VzsU1aUWnA-