ヨルダン渓谷で味方誤射:イスラエル軍将校2人死亡の悲劇 2022.1.14

先週3日にハイファ沖で、ヘリコプターが墜落し、海軍将校2人を失ったばかりのイスラエル軍。今度は、12日夜、西岸地区で誤射が発生し、味方の銃撃で陸軍将校2人が犠牲となった。

死亡したのは、オフェク・アーロン少佐(28)と、イタマル・エルハラル少佐(26)。2人とも将来を期待されていた優秀な将校たちであった。

友軍の銃弾に倒れたイスラエル軍将校たち

エルハラル少佐(左)とアーロン少佐 IDF

ヨルダン渓谷にあるナビ・ムーサ基地では、11日、ナイト・ビジョン・ゴーグルが盗まれたため、盗んだ犯人を捜索する必要が発生。12日夜、2つの小部隊が基地から出て、ヨルダン渓谷を捜索に向かった。

一つは、今回犠牲となった2人の将校ともう一人の将校、兵士の4人で、もう一つは1人だけであったと伝えられている。全員、陸軍エリートのエゴス部隊の将校と隊員であった。報道によると、2つのグループは、お互いの動きを知らなかったようである。

この地域では、テロ活動より、犯罪の方が懸念される地域である。その状況の中、ヨルダン渓谷の夜は、まったくの暗闇になるので、全員、ナイト・ビジョン・ゴーグルで動いていた。

夜11時少し前、4人は、1人の人物を発見し、怪しいと思い近づいていった。するとその1人も危険なグループが近づいてきたと勘違いし、実弾を放ったところ、アーロン少佐とエルハラル少佐を殺害する結果になった。

この時、アーロン少佐たちが、事前に空中に威嚇射撃を行ったかどうかなどの詳細は、まだよくわかっていない。

この悲惨な事件を受けて、コハビ参謀総長は、ただちに緊急に必要でないパトロールなどは中止させて、捜査をはじめた。まだ詳細はわかっていないが、IDFファウチ中央司令官によると、2つのグループは、電波送信機を持っておらず、互いに連絡をとっていなかった可能性がある。

死亡した将校2人は、かなり期待されていた将校であった。アーロン少佐(28)は、この夏、エゴス部隊か、ゴラニ部隊の戦闘部隊副司令官に昇格が予定されたいた。エルハラル少佐(26)は、軍に席を置きながら、大学でパートタイムでの勉強を始めるところであった。

www.timesofisrael.com/initial-idf-probe-faults-lack-of-coordination-for-friendly-fire-that-killed-2/

2人は、13日、アシュケロンとアシュドドに近いキリアット・マラキの軍用墓地に葬られた。葬儀には数百人が参列していた。アーロン少佐の父エリさんは、コハビ参謀総長に、一体何があったのか、詳しく調査するよう、要請している。

悲劇は無論、犠牲となった将来ある2人の将校の命が失われたことだが、撃った方の兵士の悲劇も今後、十分にケアをしていかないといけないとイスラエル軍報道官は語っている。

イスラエル軍は、ハイファのヘリコプター事故で、2人の昇降を失い、それから10日もたたないうちに、また2人の将校を失った。

4人は戦って死亡したわけではないので、イスラエル軍はじめ国民のショックははかりしれない。イスラエル軍は、同じことが2度とおきないよう、捜査と対処をすすめている。

石のひとりごと

2人もの将来ある若者が、一瞬にしていなくなった。この笑顔は2度と帰ってこない。家族はどうこれをうけとめるのか・・・。また誤射をした兵士の心を思うと、本当に心が縮む思いがする。

これほどの悲劇だが、だれにも怒りをぶつけられない。イスラエルには時に、あり得ないほどの不条理なことが発生するような気がする。

イスラエルを思えば、自分の小さすぎる問題がふっとんでしまう。主が関係者を支えてくださるように・・・。

石堂ゆみ

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。