現在のペルシャ:イランが弾道ミサイル実験再び 2017.3.10

プリムには、イスラエルの滅亡を企むハマンが話題になるが、現在のハマンは、イランであるという見方が一般的である。イランは、現在のペルシャであるだけでなく、常に、特に理由もなく、イスラエルを滅亡させると公言しているからである。

そのイランだが、トランプ大統領が、オバマ前政権がイランと交わした核開発合意を破棄する可能性を公言するなどして、アメリカとの関係で、緊張が高まっている。

<弾道ミサイル実験>

アメリカ高官すじの情報、またイラン軍司令官アミール・ハジジャダによると、イランは、2月中旬、射程300キロの弾道ミサイルホルムズ2の戦艦からの発射実験を行い成功した。

さらに昨日木曜、射程250キロの弾道ミサイルファタハ110の発射実験を行い、成功したと発表した。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/226475

これらのミサイルで、イスラエルを直接攻撃することは不可能だが、ヒズボラが、シリアやレバノンから使えば、イスラエルにも十分届く距離である。Times of Israelによると、イランの高官は、この技術をハマスにも伝授した可能性を示唆しているという。

www.timesofisrael.com/iranian-general-palestinians-have-longer-range-missiles/

また、昨日、イランの国営放送は、ロシア製最新式地対空迎撃ミサイルS300の発射実験に成功したこと、また、イラン製のさらに高度な迎撃ミサイルも完成すると伝えた。

S300については、イスラエルが、これまで必死にロシアに交渉するなどして、イランに配備されないよう、努力してきた武器だが、ついにイランが入手したことを意味する。

S300は、上空を高速で飛行する戦闘機を撃墜する能力を持つため、イランにこれが配備されたとなると、今後万が一、イスラエルがイランを攻撃しようとする際に、かなりの障害になると予想される。

www.timesofisrael.com/defiant-iran-successfully-tests-another-ballistic-missile/

<北朝鮮とイラン、イスラエルの関係>

今週、北朝鮮が4発の弾道ミサイル実験を行い、3発が日本の排他的経済水域に着弾。1発は、能登半島からわずか200キロの地点に着弾したことで、北朝鮮と日米韓の緊張が高まっている。

この件はイスラエルとまったく無関係ではない。北朝鮮はイランと核兵器開発など軍備において関係があることは知られているところである。イランがミサイルの実験を行う中で、北朝鮮も行っている。イランはアメリカの出方に注目しているとみられる。

INSS(イスラエル国家治安研究所)でイラン問題のエキスパート、エミリー・ランダウ博士は、今回、北朝鮮の問題が大きくなる中で、一応は国際社会との交渉を行ったイランのイメージがあがる可能性を指摘する。

イランのイメージがあがる一方で、アメリカが、北朝鮮に対する対策に失敗した場合、アメリカの権威が失墜することとなり、イランのイスラエルに対する脅威が大きくなることになる。

いずれにしても、北朝鮮問題は、トランプ大統領の大きなテストになりそうである。

www.jpost.com/Israel-News/Analysis-How-North-Korea-endangers-Israel-483771

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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