戻る?日常とプライバシー 2020.4.27

ILTV マハネイヤフダ スクリーンキャプチャhttps://www.youtube.com/watch?v=xy-kFLbNOII

イスラエル近況:新規感染者減少

イスラエルでは、側近24時間の感染者数は、これまでの最少、145人に減少し、計1万5443人。ほとんどが、武寧・ブラックやメア・シャリームなどの超正統派地域なと要注意とされる地域の住民である。テルアビブでは、新たな感染者は0を記録した。

重症で、人工呼吸器に依存する人は99人で、100人を割り込んだ。しかし、重症者の中に11歳の少女が含まれているとのこと。

www.timesofisrael.com/israel-confirms-lowest-daily-coronavirus-infections-in-more-than-a-month/

死者は、2人増えて計201人。死者の1人は、先週、新型コロナで死亡した、妻バイラさん(52)の葬儀に、自身も感染していたため救急車の中で出席したエルサレム、メア・シャリームのラビ・ツビ・ポルーシュ(58)が含まれていた。

夫妻の6人の子供達のうち、1人は、2年前に死亡。もう1人は現在、新型コロナ感染で重症である。残された4人の子供達は、短い間に両親を新型コロナに奪われたことになる。

www.timesofisrael.com/58-year-old-jerusalem-man-dies-of-covid-19-days-after-wife-52-succumbs/

経済の方は急速に悪化が進む。失業保険申請者は、日々増えており、26日現在で、114万1968人。失業率は27.4%となった。エルサレムのマハネイ・ヤフダでは、経済危機が原因とみられる自殺者が出た。もはや、経済再開のぎりぎりというところだろう。

外出500メートル以内制限解除・30日(木)より

イスラエルでは、段階を追って、経済活動の再開を始めていることはお伝えしている通りである。1段階はわずか3日ほどでその効果を見極めて、次の段階へ移行した。モールなどの大型屋内店舗の開店はまだだが、道路に面した店舗は、散髪・美容院も26日朝から開店が許可された。散髪屋にはさっそくに客が押しかけたとのこと。

散歩やレクリエーションでの外出は500メートル以内との制限については、早期解除に向かっていた政府に保健省が、人々が、バーベキューに出回る独立記念日(29日)移行にするべきと強く主張したため、30日からの発動となった。30日以降は、ジムやプールも開放される予定である。

30日以降の細かい指示としては、ランニングとサイクリングについては、小グループで互いの間隔を2メートル以上開けるならOK。ゴルフ、海水浴、テニスや乗馬も許可となる。ただし、7歳以上で、マスク不着用での罰金200シェケル(約6000円)は続行。

さらに本日、ネタニヤフ首相は学校再開について、検討に入る。可能性は、4−10歳は、続けて家庭でのオンライン授業。それ以上は学校に来るとしても一部屋に15人まで。11,12年生の入試については、学校で小グループで行う。

www.timesofisrael.com/cabinet-to-lift-limit-of-500m-from-home-for-exercise-after-independence-day/

イスラエルへの航空機乗入れ開始へ

デルタ航空、ウィズエアが、ニューヨーク、ロンドン、ウイーンからベングリオン空港へフライト受付を始めた。来月にも乗り入れを開始する。ブリティッシュエア、カナダエアもまもなく再開する予定だという。

ニューヨークからテルアビブへのデルタ航空は、5月10日。ハンガリーの航空会社ウィズエアは、5月3日に、ロンドンからテルアビブへのフライトを予定している。ウイスエアは、乗客数は、3分の2にまでとし、座席の間隔をあけるとしている。

エルアル航空は、早くても5月9日に、ロンドン、パリ、マイアミ間で一便予定している程度で、再開のめどはたっていない。

www.timesofisrael.com/airlines-plan-to-resume-israel-routes-after-virus-grounds-travel/

対テロ感染者追跡中止方向:最高裁指示

また、感染者を効果的に追跡するために、解禁にしていたシンベト(国内諜報機関)の対テロ対策で使う個人の追跡情報収集について、最高裁は、現時点でのネタニヤフ政権に対し、これを規制する法案を出すよう指示した。もしこれが国会で可決すれば、この作戦は中止されることになる。

これについては、これまで約2ヶ月、緊急事態ということで、容認されてきたが、プライバシーの侵害だけでなく、政府が悪用する可能性があるとして、世論の懸念が噴出していた。今、感染が落ち着き始めたことを受けて、早急に対処するよう、指示したものと思われる。

www.ynetnews.com/article/ByTs00wQY8

www.jpost.com/israel-news/government-abolishes-500-meter-limit-for-sporting-activity-626011

感染再発の判断基準

社会・経済生活の再開にあたり、感染拡大の再発が懸念されることについて、政府は次の条件を満たす場合は、再発と判断し、外出制限を再開させるとしている。

①1日のあらたな感染者300人以上、②重症者300人以上、③10日以内に感染者数が倍になる。

www.timesofisrael.com/cabinet-to-lift-limit-of-500m-from-home-for-exercise-after-independence-day/

石のひとりごと

イスラエルが、新型コロナから脱出する流れになりつつある中、日本の状況が、どんどん絶望的になりつつある。以下は、イスラエルと比べて日本を批判しているのではないということを強調しておく。

まず日本とイスラエルでは国の大きさが全然違う。しかし、それを鑑みたとしても、あまりにも危機管理能力に差があることと、さて日本がここから、どう立ち上がっていくのかを考えるに思うこと、とでもしておこう。

クリスチャンには、自分や家族にかかわるかもしれないという恐れからの解放にとどまらず、正しく危機感を持って、日本の国の将来ためにとりなしてほしいと思っている。

まず、日本は、検査をしないまま、家庭内感染に至っているので、今頃大規模に検査を開始したとしても、すでに、動向をさぐって感染を予防するという段階ではなくなっている。

さらには、いまだに検査を制限しているので、感染者を野放しにするだけでなく、早期に治療を開始することができず、自宅待機の人が孤独死するケースもで始めた。早く検査して、早く治療を始めれば、死ななくてよかった人が死んでいるということである。もはや人災と言える領域かもしれない。

感染者、死者の数字だが、検査しないまま死亡した肺炎患者は、コロナであったとしても数には入っていない。また、警察が管理する孤独死や不明死の遺体は、コロナが疑われても、検査しないで、普通に焼却されているという。遺体にかかわった人、焼き場職員などは、完全にエキスポーズである。

日本では、感染者数、死者数が少なく、よくもちこたえている、という人もいるが、たんに検査数が少ないために、数字に表れていないだけではないか。現実問題として、日本での新型コロナウイルスは、いまや、フリーパスで広がっていると思わざるをえない。

問題は医療崩壊だ。これほど未知の恐ろしいウイルスであるにもかかわらず、最初から、一般病院で対処させたために、院内感染が相次ぎ、すでに医療崩壊に陥っている。未知のパワフルなウイルスなのであるから、一般病院で対処できないのは当然だ。

感染者がまだ少人数のうちに、一般病院とは切り離したところで、訓練のできている自衛隊にまかせるべきであった。そうしなかったために、困ったことに、今、一般病院が、クラスターとなって、救急外来が次々に閉鎖している。今後、コロナとは無関係なのに、治療を受けられないで、心臓発作や、交通事故で死亡する人が増えてくるだろう。

また懸念されるのは、介護崩壊。家で、1人暮らしの認知症の人がどうなっているのか、これから、徘徊や、火事を起こすなどの問題の他、静かに孤独死している人が発見されるなどのケースが出てくる。

加えて、イスラエルでもすでに経済苦から自殺者が出た。日本も時間の問題だ。金なし。家なし、食料なし。希望なし・・・。東京では教会が、支援活動に乗り出しているようである。もはやヤケクソ、「もうだれも連れて行くな」と地獄の使いにイエス・キリストの血潮により祈る日々である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。