エルサレムの戦時下クリスマス:クライスト・チャーチはオープンハウス 2023.12.25

エルサレム旧市街のクリスチャン地区  アルジャジーラ

エルサレムの戦時下クリスマス:マーケットはキャンセル・サンタは登場

イスラエルはユダヤ人の国なので、基本的にクリスマスはない。しかし、エルサレムには、1万3000人のクリスチャンが旧市街や東エルサレムに住んでおり、その地域にいけば、クリスマスの飾り付けなどがみられる。

エルサレム旧市街のクリスチャン地区では、毎年、サンタクロースが出て、賑やかなクリスマス・マーケットが開催される。しかし、今年は、ベツレヘムと同様、戦時中ということもあり、マーケットは中止された。

しかし、らくだに乗ったサンタクロースとして親しまれているイサ・カシシアさんのところには、毎年3000〜4000人が来るという。しかし、今年はゼロである。

カシシアさんは、クリスマスのイベントを完全にキャンセルすることに同意しないとして、例年のように、サンタクロースに扮装し、らくだに乗って、オリーブ山から世界に、希望のメッセージを発した。

また、自宅をデコレーションして、人々を迎える準備をしている。聖地エルサレムからのクリスマスのメッセージは、希望、愛、平和だと語っている。ベツレヘムの土産物店タバシュさんと同様である。

クライストチャーチはオープンハウス

I24ニュースは、イスラエル国内で1920年代に、最初のプロテスタントとして設立されたクライストチャーチを取材。デービッド・プルゲイ牧師をインタビューしている。

プルゲイ牧師は、イスラエルは今、悪のハマスと戦っている。しかし、ユダヤ人なら、どんなに悲しい時でも、安息日に断食したり、喪に服すことがないように、私たちもクリスマスを覚えると語っている。ただ今年は、特にイスラエル人犠牲者を助けるプログラムを考えている。

また例年のように、クリスマスには教会を解放し、礼拝すると語った。

*イスラエル国内のクリスチャン統計

GPO政府プレスオフィスによると、イスラエル国内にいるクリスチャンは、18万7900人。総人口の1.9%にあたる。最大の居住地はナザレの2万800人、ハイファに1万6800人、エルサレムに1万3000人、海岸に近い陸地内(シフェラ)に1万600人となっている。

昨年結婚したクリスチャンのカップルは815で、この一年で生まれた新生児は2343人。人口増加率は年1.3%。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。