国会解散・総選挙続報 2014.12.9

先週、ネタニヤフ政権が崩壊し、国会も今日の採択で正式に解散が決まった。総選挙は来年3月17日。すでに、それぞの政党が、だれを党首にするのか、またどの党と組んで、どんな選挙名簿を作成するのか、様々な策略を展開しはじめている。

ネタニヤフ首相は、国会で過半数の支持を得て、時期政権でも続投できるよう、ユダヤの家などの右派系政党と、ユダヤ教政党シャスに味方につくようアプローチしている。

今回、ネタニヤフ首相に解任されたラピード財務省は、「ネタニヤフ首相は国民と遮断されている。水族館に住んでいるのではないか。」とかなり辛辣に非難。次期選挙では、ネタニヤフ首相は必ず失脚すると宣言している。

現在、ネタニヤフ首相の右傾化に対し、中道左派とよばれるグループができ始めている。左派の労働党ヘルツォグ党首が、今回法務相から解任されたリブニ氏をとりこみ、中道左派グループを成立させようとしているのだが、もしこれが軌道にのれば、この党が議席数23を獲得し、ネタニヤフ首相を破る可能性があるという。

また、以前リクードにいたが、今は脱退し、独自の新党を立ち上げたカフロン氏がいる。カフロン氏は、電話代を大幅に引き下げるなど、国民からは、「やり手」として大きな支持を受けている。この新党がどこへどうころぶのかも注目されている。

来年、イスラエルがさらに右傾化するのか、中道左派になるのかで、パレスチナ交渉から、周囲国や、世界との関係にも大きな違いが出て来る。総選挙まで、激しい論議になると思われる。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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