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休戦開始:15分後にガザからロケット弾
カタールとエジプト、アメリカが仲介して、イスラエルも合意した休戦と人質交換。昨日開始予定だったが、ハマスが釈放される人質の名簿提出に遅れをとったため、延期となっていた。
その後ハマスから名簿が提出され、本日、朝7時(日本時間午後2時)からイスラエルとハマスは休戦に入ったということになった。とはいえ、その15分後に、ハマスはガザ国境にロケット弾を発射している。
この後、午後4時(日本時間午後11時)に最初の人質グループが、引き渡される予定となっている。一つの問題は、イスラエルが、引き渡されない人質たちを赤十字が面会するという条件について、ハマスが拒否しているという点。
この約束が履行されるかどうかは確実ではなく、ここまできて人質交換がまた延期になる可能性があるかも・・ないかも・・という状況である。しかし、また延期となると、人質たちとその家族への心理的拷問になると懸念されている。
*ヒズボラも休戦遵守か
レバノン国境では、ヒズボラとイスラエルの攻撃の応酬がエスカレートしつつあり、22日、イスラエルの攻撃で、ヒズボラ戦闘員5人が死亡したが、そのうちの1人は、ヒズボラが代表する政党の議員の息子、アッバス・ラアドであった。しかし、今、ガザとイスラエルが休戦に入るにあたり、レバノンのヒズボラも休戦を遵守するとの理解である。
www.timesofisrael.com/hezbollah-says-son-of-senior-lawmaker-among-five-dead-in-south-lebanon-strike/
人質解放なるか:イスラエル人13人
今後両者が攻撃を行わないかどうかにもよるが、まず最初の人質13人が、午後4時(日本時間23時)に、ラファ検問所からエジプトへ引き渡されるみこみとなっている。その後、イスラエルのハツェリームIDF基地へ空輸され、そこで医療チェックを受ける。
一人一人を受け入れる準備もなされている。そこから国内5カ所の病院に搬送されるが、一般病棟とは別に、プライバシーをかなり厳しく守るシステムになっている。
本日釈放されるのは子供とその母親、女性の予定である。IDFは、それぞれの家族に連絡したとのこと。いうまでもなく、その中に家族の名前がなかった家族の落胆は、想像に耐えない。家族たちの心は上がったり下がったり、ジェットコースター状態だという。一方で、帰ってくる人々も、前とは心身ともに前とは全然違う状態になっていると懸念されている。
www.timesofisrael.com/hostages-families-describe-emotional-rollercoaster-as-they-wait-for-releases/
今回名簿にあがっているアビガイルちゃんは、今日4歳の誕生日だという。アビガイルちゃんの両親は、10月7日に、キブツ・クファル・アザでハマスに、その目の前で殺されている。
その後、隣の家族に助けられたが、アビガイルちゃんもともに全員ハマスに拉致された。今日、解放されるアビガイルちゃんを迎えるのは、祖父母と、虐殺をまぬかれたアビガイルちゃんの兄弟たちである。
あまりにも繊細な状況なので、イスラエルは、釈放される捕虜たちの名簿が外へもれないよう、またメディアが彼らの周りに行かないよう、配慮しているとのこと。収容する病院を分散させたのはそのためである。
www.ynetnews.com/article/rktviwtva
本日を含めこれから4日間、毎日10数人、50人の人質が、ハマスから引き渡される予定である。これと引き換えに、イスラエル人1人あたり3人として合計150人のパレスチナが、イスラエルからハマスへ引き渡される。
引き渡されるパレスチナ人も、イスラエルの刑務所にいる女性と未成年とのこと。
タイ人23人も解放へ:仲介はイラン
10月7日にガザ周辺で働いていて、捕虜になったタイ人23人も、釈放されると伝えられている。タイ人の釈放は、タイ政府が、独自にイランに要請し、イランが仲介となって釈放が決まったとのこと。ただこれがいつになるかはまだ不明である。
www.timesofisrael.com/report-hamas-set-to-release-23-thai-hostages-in-side-deal-brokered-by-iran/
燃料13万リットル人道支援物資搬入トラック200台/日予定
休戦は、一時的とはいえ、ガザで避難民になっている人にも休息になる。これまでイスラエルの攻撃は、全く休みなく続いていたのであり、安全な場所はどこにもないとガザの人々は言っていたのであった。「少なくとも死ぬ心配なく寝られる。」と言っているとのこと。
また、連絡がとれないでいる家族と再会できるか、遺体でみつかるのか、空けてきた家を見にいきたいと言っている人もいる。このため、イスラエルは、ガザ南部へ北部へもどらないようにと警告するビラをまいたとのこと。
停戦の間、ガザへは、毎日13万リットルの燃料、人道支援物資トラック200台が入ることになっている。しかし、イスラエルが厳密にどこへ届けられるかなどチェックするので、これだけの量が届くかどうかは確実ではない。
ガザから出るパレスチナ人:ロシアへ103人
ここ数日の間、ガザから出て、外国へ出ていくパレスチナ人の話題も出ている。おそらく外国籍を持つパレスチナ人が、少しづつ、ガザから脱出しているようである。
24日、ロシア国籍を持つパレスチナ人103人が、ガザを出てエジプトからモスクワに向かう飛行機に乗ったとのこと。Times of Israelによると、これまでにロシア国籍のパレスチナ人750人がガザからエジプトへ脱出し、650人(半数は子供)がすでにモスクワへ向かったという。休戦に間にこうした動きも促進されるかもしれないとも思う。
www.timesofisrael.com/liveblog_entry/103-gaza-residents-with-russian-nationality-leave-for-moscow/